女神様の時間
「下ろす」 死んだあいつの兄が言った。 UFOが下りてきた。 「嫌だッ・・・・・。死・・・死にたくない」 おれは必死で叫んだ。 UFOがおれの頭の上でアームを開かした。 そして、どんどん下りてくる。 「あ・・・・・あぁ。死ぬ」 そろそろ俺はUFOに捕まりあの穴まで持ってかれる。 しかし、なかなかアームがおれの事を掴もうとしない。 このゲームのオーナーの嫌がらせか。 ん?何か頭に違和感を感じる。 何だろう。 おれは、顔を上げた。 「あ」 なんと右側のアームが開いたまま俺の頭に当たり、止まっていた。 UFOが左に寄りすぎていたのだ。 数秒後、UFOは掴むのを諦めたかのようにアームを閉じ、上に上がった。 そして、元あった位置に戻ると静止した。 普通のUFOなら商品を掴めなくても穴までき、アームを開くがこのUFOは人間を掴まないと穴までいかないのか。クソっ。なんて性格の悪い奴。それより・・・・・。 おれは頬を緩ませた。 「助かった・・・・・」 一時期は、死ぬかと思ったが・・・・・。 良かった。女神様がおれに微笑んでくれたのだ。 「あなたは、生きるべき人間ですよ。」 そう言ってくれているような気がした・・・・・。




