最悪な時間
場が静寂に包まれていた。 が、死んだあいつの兄がそれを破った。 「よし、選択しよう」 「殺し合うの?何か脱出できる方法を考えようよ」 死んだあいつの彼女が言った。 「じゃあ、何か思い浮かぶのかよ」 死んだあいつの兄が言った。 「それを今から考えるんじゃないの?」 ふざけんな。そんな方法なんてある訳ないだろう。 お前らなんか、早く死ねッ。そしておれが勝ってやる。 そう俺は、心に決めたんだ。 「俺は、選択するぞ」 死んだあいつの兄が言った。 よし、早くしろ。おれは、心の中で呟いた。 「俺が選択するのは、お前だ」 そいつの瞳の中のは、おれが映っていた。 「私も、そうする」 死んだあいつの彼女が言った。 「俺も」 死んだあいつの幼馴染も言った。 ふざけんなよ。俺は、生き残るって決めたんだ。 「嫌だよ。ふざけんなッ」 おれは、叫んだ。 生き残るって決めたのに。 どうしてこうなるんだ?




