あいつの死んだ後の時間
ドッカッーンという、爆発音が、選択されたあいつが落ちた穴から聞こえた。 おれは、その音に体を震わせた。 あいつは、死んだ。その現実を受け止めた。 このゲームは、本当なのか。 おれは、ずっと、死んだあいつが犯人かと思った。 因みに俺は、死んだあいつの兄ではない。 だからと言って、幼馴染でもなく、勿論彼女でもない。 ただの友達である。 その時、死んだあいつの兄が叫んだ。 「おいッ、死んだ振りはいいからとっとと穴から出てこい」 しかし、返事は無かった。 その代わりに、あの機械の女性の声が聞こえた。 「それでは、選択してください」 ゲームは、続いている。 このゲームは終わるどころか逆に始まっている。 「なぜ終わらないんだ」 死んだあいつの幼馴染が呟いた。 「まさか、本当に、あいつは犯人じゃなかったのか。」 「まさか・・・・・」 おれは、これからも続くという現実を受け止められなかった。 「嫌よ。そんなの嫌ッ」 死んだあいつの彼女が叫んだ。 何故こんな事をしなければいけないんだ。こんな殺人ゲームを。 でもやらなければならない。 やらなければ『死』だ。 クソッ。やってやるよ。 生き残ってやる。 おれは、心の中で誓った。 生き残ってやる。




