STORY2
鈴姉からせかされヘッドギア型ゲーム機、チェッカーを装着し、いよいよアビリティストーリーをやることになった俺だが、
「鈴姉」
「何だね玲君?」
「なんで一緒にベッドに寝てるわけ?」
「ベッドが一つしかないから」
そう、チェッカーを使用する際ベッドに寝ながらじゃないといけないのだが鈴姉の家にはベッドが一つしかないのだ。ってくっつかないで、当たってる!!当たってるから!?
「離れて」
「やだも~ん♪じゃっ先いくねぇ~♪」
そう言って鈴姉はチェッカーのスイッチを入れ、ゲームを始めたらしくバタッとベッドに倒れこんだ。ってか離れてないし!?くそ!!口下手な自分が恨めしい!!そう心の中で愚痴りながらチェッカーのスイッチを入れた。すると視界が暗くなり男性の機械音声が流れてきた。
『指紋を認証しました。本人かどうか確認作業します神代玲・17歳・住所埼玉県○○市・所属○○高校。これでよろしいですか』
「はい」
『本人と認証しました。それでは楽しんでください。』
その音声を聞いた後、俺は白い空間にいた。周りを見回すと空間の真ん中あたり鏡しかなかった。
『ようこそ、アビリティストーリーへ、今からキャラ設定しますので、鏡の前に立ってください。』
今度は女性の音声かと思いながら鏡に立つ。鏡には何故か水玉模様のパジャマを着ている自分の姿が映る。………何故水玉模様?
『ではまず、キャラ名を設定してください』
すると目の前にノートとシャーペンが現れる。なんてアナログなと思いながらノートにレイと書く。
『レイでいいですか?』
「はい」
『ではレイで決定します。次にキャラ名に合わせた調整をします』
調整?なんだそれ?と思うと鏡の映っている自分の姿が変化して前から丸かった瞳がさらにくりっとした黒瞳になり、頬が少し赤みが増し、ショートヘアだった髪が腰まであるロングヘアーにかわる。……女の子じゃん!?完全に女の子じゃね~か!?
『では質問に参ります』
「その前にこの姿についていい?」
『では質問します』
聞けよ!!
『あなたが信じる神様は?』
「……いろんな神様」
『掃除と言えば?』
「ほうき」
『最後にもし幽霊がでたら何をしますか?』
「塩をかける」
『ありがとうごさいました。では楽しんでください』
そうして女性の音声が終わると周りの風景が変わり、おそらく鈴姉だろう西洋風の皮で出来た鎧を着た女性が後ろを向いていた。
「鈴姉?」
「玲く、ぶはっ!?」
………何か多分鈴姉?が振り向いて俺を見た途端、鼻血をふいた。取り敢えず
「大丈夫、鈴姉?」
「男の娘巫女だと……グッショブ!!」
つい笑顔で親指をたてた鈴姉の鳩尾にストレートを打ち込んだ俺は悪くないはずだ。
数分後、ようやく鈴姉が落ち着いたらしい。
「んも~素直じゃないんだから。えっと玲君のキャラ名お・し・え・て♪」
そう言って鈴姉は右手の人差し指を自分のくちびるにあてる。似合ってるがイライラするので足を踏んでやる。
「痛っ!?」
「カタカナでレイ」
「やっぱり素直じゃない。ちなみに私はカタカナのリンね。にしてもその服装は何かな私的にはごちそうさまなんだけグホッ!?」
変なこと言ったので今度は膝蹴りを鳩尾にくらわす。取り敢えず自分の服装を見ると赤い袴と白い上部分が見えた………巫女じゃん!?巫女服じゃないか!?俺、男だよね!?
「とっ…取り…敢え…ずステータ…ス見れ…ば」
息がきれぎれな鈴姉もといリンの言う通りステータス画面を出す。
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レイ 性別 男性
職業 巫女
アビリティ
【】
【】
【】
【】
【】
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……やっぱり巫女かコンチクショ!!
「リンの職業は?」
「……ふぅやっと落ち着いた~っと私の職業?戦士だよ♪レイは?」
「……巫女」
「やっぱり~♪ねね、早くアビリティ選ぼ♪」
子どものようにはしゃぐリンを見ながら、自分の性別と合わない職業なんだけどど、なんか疑問に思えよと思いながらアビリティ選ぶ俺だった。
そしてアビリティを見せあって、リンの一言
「レイは何目指してんの?」
ちなみに俺のアビリティは【拳】【退魔術】【走り】 【知力】【裁縫】
「前衛戦闘系巫女?」
「でも裁縫は?」
「趣味」
好きだよ裁縫
「はぁ。あのね、バランス悪いよ。【拳】は素手での攻撃だから武器での攻撃力増加出来ないし、【走り】はただ足の速さが上がるだけだよ?【退魔術】は多分巫女専用のアビリティと思うけど【知力】で多分威力上がると思うから魔法に類ずるものだからあと【知力】はMP上がるし。そして裁縫は完全生産職。ドロップ品を使って装備を作るだけだから暇潰しだよ戦闘するなら」
取り敢えず言いたいのは
「俺は俺だから」
「はぁ~、んじゃフィールド行きますか」
そう言ってため息をついたリンが歩いて行くのを俺はついていくのだった。