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第8話烏丸達VS琴葉

この物語は烏丸サイドで6話の続きです。

「カッカッカ、まずは一人」

「朝霧先輩!!」

 俺が構えた瞬間、源次郎は瞬時に俺の隣に移動して、右手の鉈で朝霧先輩を切り裂いた。

「ぐわぁ」

 それと同時に朝霧先輩の反隣にいた隼人が急に吹き飛ばされた。

 こいつらやべぇ・・・・こんな奴相手にできるかよ。

 こっちは和ちゃんと皐月ちゃんの女2人、敵は総大将の源次郎と孫娘が一人、3対2でも勝てる気しないんだけど・・・

「次はお前だ」

 一瞬の出来事に呆然としていた俺を、源次郎のこの一言で我に目覚めた。

 振り向くともう既に目の前に鉈が・・・・

 やられる・・・・俺は咄嗟に目をつぶってしまった。


        ドッカーーーーン


「最後まで諦めるな!」

 目を開けると、そこには水無月さんたちがいた。

 他に光明寺さんに沙耶ちゃんに美里もいた。

 っということはあの男と戦ってるのは久遠時さん一人ってことか・・・・

「カッカッカ、不意打ちとはやるな、小僧!」

 俺と20メートル程離れた場所に源次郎がいた。

「源次郎は俺が抑えとくから、残りのメンバーで先にあの女を殺れ」

 水無月さんは皆にそう命令し、源次郎に飛び掛った。

「ワイら幹部会3人を一気に相手せなあかんとは可哀想やなぁ」

 光明寺さんが泣くフリをしながら、髪の長い女の子を挑発している。

 確か名前は琴葉ちゃんだったっけな?


「可哀想なのは貴方の神兵です。捕まった時に薬を盛られてるとも知らずに戦ってるんですから・・」

 琴葉ちゃんは何故か悲しそうに言った。

 なんであんな顔するんだよ?しかもそういうこと言っちゃっていいのかよ!

「大和!早く隼人君の所へ行ってあげた方がいいんじゃない?」

「罠かも知れんけど、あいつ一人じゃあ心配やからちょい行って来るわ!」

 沙耶ちゃんの咄嗟の判断で、光明寺さんは隼人の救援に向かった。


「これでどうにかこの場は凌げそうです」

「真田先輩あの女すごいムカつきます!」

 自分がピンチな状況でも敵をバカにしている琴葉を見て、皐月ちゃんが怒り出した。

「そうね。私達がそう簡単にやられない所を・・・・え?」

 一瞬目を離した瞬間、琴葉ちゃんが消えた。

「一体どこに・・・」

 沙耶ちゃんも和ちゃんも皆、武器を手にして、いつどこで現れてもいいように身構えた。

 当然俺も岩石で拳を強化した。

「そんなに背後をがら空きにして、刺して下さいって言ってるようなものですよ」


       シュッ


 沙耶ちゃんは背後から琴葉ちゃんの気配を感じたのか、後ろに剣を振り回したが空を切った。

「今度背中向けっぱなしだと、プスっといっちゃうからね」

「ぅお!」

 俺の背後からそういう声が聞こえ振り返ったが、背後には誰もいなかった。


「背中合わせにして壁を作るのよ」

 美里の指示通り、俺らは背中を合わせ、前方だけに集中した。

「どこに目つけてるんですか?」

「え?」

「危ない!」


       ズズズズシャ


 地面から鋭利な針が突き出てきて、俺らを庇うために美里が犠牲になってしまった。

「あ、これは思いがけない収穫です。」

「真田先輩!!」

 皐月ちゃんが美里を必死に助けようと針に登り始めた。


       【ウィンドクロー】


 琴葉ちゃんが皐月ちゃんに手のひらを向けた

「皐月ちゃん」

 俺は咄嗟に皐月の前に飛び込み庇おうとしたが、何か風がすり抜けただけだった。

「キャーー」

    

       ズシャズシャズシャズシャ

「ひどい・・・・」

 その技は皐月ちゃんを宙に浮かし、何回も何回も空中で切り裂いた。

「わざわざ助けに行かなくても、針は抜いてあげるから」

 そう言うと、美里に刺さっていた土でできた針が地面に引いていった。

「真田さん?皐月ちゃん?大丈夫?」

 和ちゃんが2人の生存を確かめに行った。

 俺も行きたい所だが、またこいつから目を離すと何をするか分からないから、じっと睨みつけていた。


「このままじゃ魔女狩りの面目も丸つぶれね」

 沙耶ちゃんが俺の隣に来て囁いた。

 思えば今生き残ってる中で、唯一の幹部会なんだよなぁこの人。

「1分でいいわ。突撃して時間を稼いでくれる」

 そんな短い時間で何が出来るのかと疑ったが、今の俺にはそれしかできそうになかったので承諾した。


「うおぉぉぉぉ!」


      【ニードルシャイン】


 俺は突っ込みながら、土で出来た無数の針を琴葉ちゃんに飛ばした。


      【エアーシールド】


 しかしその針は当たる直前でポトポトと落ちていった。

「まだまだ!!」


      【ブレイクヴァン】


 両手を地面に当て、土で出来た二つの巨大な手を琴葉ちゃんの前に召喚し、わしづかみした。

「あ・・・・」

 よし!下手したら倒せるぞ!


      【ブレイクヴァンショット】


 琴葉ちゃんをわしづかみにしてる巨大な土の手に触れて、その手を爆発させた。

「キャッ!」

 ダメージあり!このまま倒してやる!っと思ったら

「はぁ?人体模型?」

 無数の人体模型が俺のほうへ飛んできた。

 

      【砂嵐(サーブルス)


 砂嵐を起こし、人体模型をなんとか回避した。

「間に合ったようだな」

「お兄様・・・」

 うわ!敵の援軍来たよ・・・確か名前は瞬だっけ?

 っということはこいつと戦っていた久遠時さんはどうなったんだ?

「すいません。逃げられてしまって・・・・いい所でしたか?」

 瞬が出てきた方向から、服とかボロボロの久遠時さんが出てきた。

「っち、まだ生きてやがったのか。しぶてぇなぁ」

 瞬はめんどくさそうに、矛先を久遠時さんに向けた。


「あなたは余所見していていいんですか?」

 しまった!また目を離した瞬間、琴葉ちゃんが・・・・

「私のこと忘れてません?」

 沙耶ちゃん!


      【雷龍(ジャムヴゥル)】         


「琴葉!!」

       バリバリバリバリバリ

 瞬時に瞬が琴葉を突き飛ばし、瞬が琴葉の身代わりになり、沙耶の最高ランクの雷魔法を受けた。

「お兄様・・・・」

 ほんの一瞬だった・・・まばゆい閃光が走ったと思ったら、瞬が感電して・・・・

 黒焦げになった瞬を見て、琴葉はその場に座り込み、泣きじゃくった。

「あなたもすぐにお兄さんの所へ連れてってあげるわ」

 沙耶ちゃんは、瞬の横で泣いている無防備な琴葉ちゃんに刃を向けた。

「待ってください!」

 俺は両腕を広げ、いつの間にか琴葉ちゃんを庇っていた。

「鋭霧、そこをどいてちょうだい」

「嫌です」

 本当に悪ならば兄が死んでも涙など見せないはず。ここまで取り乱さないはず・・・

「烏丸君、今君がしている行為は僕たちにとって立派な反乱だよ。もし君がこのままこの子を庇いつづけるなら容赦なく君も殺す」

 ボロボロの久遠時さんが真剣な目で言った。

「最後のチャンスよ。そこをどいて」

「・・・・・・・」

 俺は女の子一人守れないとは情けない・・・・・


     ドカーーーーン


「な、なに?」

「龍二!どうしたんですか?」

 さっきの音は水無月さんが壁を突き抜けて飛んできた音だった。

「油断した」

 そう言って、水無月さんはすぐに立ち上がった。

「カッカッカッカ、中々骨のある小僧だわぃ」


       パン


 何かをひっぱたく音が部屋中に鳴り響いた。

「琴葉!何をしておる!ここはいいからさっさと音葉の所へいってこい!!」

 源次郎が琴葉ちゃんの目の前に来て言った。

 琴葉ちゃんは両手で右頬を抑えていた。

 さっきの音は源次郎が琴葉ちゃんの頬を叩いた音だった。

 ってかいつの間に移動したんだ・・・・

 琴葉ちゃんは目に涙を浮かべながら、無言で隼人がいる方向へ走っていった。

「行かせない!」

「それはこっちのセリフだ!」

 

         ブシュ


 突然朝霧先輩がやられた時のことのことがフラッシュバックしてきた。

 今その光景と全く同じ光景で、沙耶ちゃんが切り裂かれた。

「沙耶!!!!」

「カッカッカ、あと3人・・・いや4人か」

 源次郎はそう言い、変な方向へ走っていった。

 あっちの方って・・・・・和ちゃん!!

「鋭霧!急ぐぞ」

 水無月さんに背を叩かれ、俺も急いで源次郎を追った。



次回はまた7話の続きの隼人サイドに戻ります(通常通り)

この烏丸サイドの続きを書くかは未定ですw

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