第4話:片桐一家滅亡計画始動
片桐一家滅亡計画に同行することになった隼人たち
この後一体どうなるのか?
意外にも学校の出席停止の許可はすんなり取れた。
この前とったばっかなのに、また取れるって卒業とか大丈夫なのか?
っと心配していること呼び鈴が鳴った。
多分烏丸達だろう。
その前に俺たちがこれから行う計画について話しておこう。
片桐一家滅亡計画とは、最初幹部会5人だけで動く隠密な計画だったらしいが
幹部会の一人朝霧先輩の上司、久遠持さんがメシア様に頼んで、一緒に行動を共にすることになった。
片桐一家がどういうやつらなのかは、移動中に説明してくれるらしい。
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
「そんなに鳴らさなくても起きて・・・・」
「おはよう!隼人!鍵忘れて入れなかったんだ」
目の前には烏丸達ではなく亜矢がいた。
「あれ?そんな格好で・・・お出かけ?」
亜矢が俺の服が制服じゃないのに気づいた。
「あのさ、俺また1週間ぐらい学校休むことになったんだ」
「え〜!どうして〜。また変な事件に巻き込まれて大怪我して帰ってくるんじゃないの?
それにそんなに休んで大丈夫なの?今度も烏丸君達と一緒なの?」
亜矢のマシンガントークを聞き流しつつ、俺は家の鍵を閉め、烏丸達が早く来ることを願った。
「ねぇ、私も一緒に行っちゃダメかな?」
「はぁ?・・・・すまん、今なんて?」
俺は聞き違いだと信じてもう一度尋ねた。
「わ・た・し・も行ってもいいかな?」
自分に指を指しながら、『私も』の所を強調して、俺の目の前で言った。
「ダメに決まってるだろ。いつ帰ってくるかわかんないんだし、それにお前は出席停止の手続き済ましてねぇだろ」
「一週間ぐらい休んでも平気だもん」
亜矢はすねた子供のように言った。
「一週間もいなくなったら、親が心配するだろ?」
「隼人と一緒だと大丈夫だもん。」
参った。亜矢も半泣き状態になり、手の施しようがなくなってきた時、やっと救世主が来てくれた。
「悪ぃ、遅れちまった!!他の皆は駅で待ってるから早く・・・って取り込み中だったか?」
「おい!!!」
俺と半泣きの亜矢を見て、逃げようとする烏丸を捕まえ、なんとか亜矢をここに残すように頼んだ。
「亜矢ちゃん、男ってのはな、女に帰りを待っててもらうと嬉しい生き物なんだよ」
おいおい、どういう説得をしてるんだよ。
「そうなの?」
亜矢が俺のほうに視線を向けた。
「う、うん。」
「ほら、だから亜矢ちゃんはここで隼人の帰りをまっとってくれないかな?」
「わかった。じゃあ気をつけてね」
俺は烏丸の説得に感服しながらも、みんなの待つ駅前に急いだ。
「遅いぞ何やっとってん!はよう乗らな電車きてまうやろ」
俺の上司、光明寺さんが切符を俺に投げつけて、ホームへ走った。
なんせ片桐一家の家は山奥で2時間に1本しか電車がないらしい
なんとか予定の電車には乗れたが、小一時間水無月さんたちに注意されたのは言うまでもない。
「それでは、計画の内容を言い渡す」
電車内で水無月さんが一人の男の写真を取り出した
「片桐源次郎だ。片桐一家のトップと言ってもいい奴だ」
60〜70年代で白髪のオールバックで、右目に眼帯をしていて、タキシードを着ていた。
「それとそいつの孫が3人。計4人が片桐の血を引く生き残りだ」
「たった4人ですか。わざわざ幹部会が動く必要あるんですか?」
烏丸が嘗めきったような言い方をした。
「ほぉ、ではお前は倒せるのか?片桐と言ったら3大魔法使いの血筋だぞ」
「因みに残り二つは?」
俺が恐る恐る聞いた。
「陽河と天枷だ。この名字の魔法使いには気をつけろよ」
「ただの同姓の人と間違えたらだめだよ」
最後に相馬さんの上司、安井さんが付け加えた。
確かに、俺のクラスには陽河も天枷もいるし、魔法使いじゃないだろうし、人違いだろうと俺は自分なりの答えを出した。
「っで烏丸、どうなんだ?」
「無理です」
即答かよ。っと突っ込みたい勢いだったがやめておいた。
「それでその片桐源次郎、他3名の片桐一家だが、敵が泣こうがわめこうが簡単に殺しが出来る情の欠片もない鬼だ。
もし捕まったりでもしたら、即あの世行きだから気をつけろよ」
「冷酷残虐で現代の独眼竜とも言われています」
また水無月さんのあとに安井さんが付け加えた。
「それで分かってると思うが4人を殺すのが今回の計画だ。お前たちには孫の2人を任せようと思う」
そう言って2枚の写真が手渡された。
「お、女?」
驚いたことに2人とも16〜20ぐらいの女の子だった。
一人は黒髪のロングヘアーで頭の上にリボンをつけている。もう一人のほうは黒髪のショートヘアーだ。
「そんな驚くことないだろ。それにもう一人の方は男だ。そっちは厄介そうだから俺らに任せろ」
「頼んだで」
光明寺さんのその一言で計画の説明は終わった。
【立入禁止】
電車を降り、30分ぐらい歩いた所に【立入禁止】と書かれた看板が立ててある山道に着いた
「この頂上に片桐一家がひそんどるはずや」
その山は木が密集していて、中に入るとほとんど日の光が差し込まなくて、不気味に明るかった。
「ダメ、これ以上進めない」
皐月の上司でもある、俺と同じクラスメイトの美里が急に立ち止まった。
「やっぱり結界が張られてますか」
久遠寺さんがあごに右手を添えながら、結界に左手を当てた。
「何言ってるんですか?普通に通れますよ?」
烏丸は結界が張られているだろうと思う所を、すんなりと通ってしまった。
「あなたたちを連れてきて正解だったようです。ここは僕たちみたいに魔力が高すぎる者を拒むようですね」
久遠寺さんがそう言って、俺たちのほうを見た。
「無茶はせんでええ。ただ中に入って結界を解いてきてくれ」
えぇ・・・マジっスか?・・・・
「できるだけこっちで自力で解除してみるけど、時間がかかりそうなの」
美里が魔方陣みたいのを空に描きながら、結界を解こうとしていた。
「っというわけで頼むな」
「無茶はしなくていいから」
っということで、俺と烏丸と相馬さんと朝霧先輩と皐月は、山奥へと進まされた。
それより、この結界の解除方法教えてもらってないんですけど・・・・
唯一の戦力の幹部会との別行動
5人は生きて戻れるのか?(ぇ?