第3話:謎の女
そんなこんなで昼休みの出来事を忘れ、放課後になってしまった。
俺は部活はやっていないが、屋上に集まるのがいつものことだ。
屋上に着いた時にはいつものメンバー、烏丸、相馬さん、朝霧先輩、皐月が既にいた。
「魔法使いを狩るっていうものの、そう簡単に見つかるわけないだろ」
みんなは昨日の事について話しているらしい。
「早速任務の話か?熱心だな」
俺はそう言い、烏丸の隣に座った。
「ってかよぉ、お前黒いローブの女を見たか?」
烏丸に意外な質問をされ、俺は少々手間取った。
「お前も見たのか?」
「お前もってことはやっぱ見たのか」
みんな様子だと多分全員にあのこと言ったんだろう。
「対抗戦・・・一体どういうことなのでしょう」
相馬さんがそう言った時、微かだが背後から魔力を感じた。
「おい!」
「わかってる。俺らの話を聞いていたのかわからないが、向こうは明らかに一瞬魔力を貯めた」
朝霧先輩は何事もなかったかのように、平静を保ちながら言った。
「とにかく油断するな。襲い掛かってきたら、俺らも一斉攻撃だ」
っという作戦を練り、背後に隠れている奴が攻撃を仕掛けてくるのを待った
だが、攻撃を仕掛けてくる気配は全くなかった
「何をしているんですか?」
攻撃を仕掛けてくるどころか、話し掛けられた。
俺は立ち上がり振り返った。
そいつは昼休み見かけた、黒いローブの女だった。
「あ・・・」
「お前は!」
全員予想外の相手に呆気にとられた。
『封結』
「な・・・・」
黒いローブの女がその一言を言うと、急に身体が重くなり、立っているのがやっとの状態だ。
「何をしたお前!」
烏丸が女に叫んだ。
「フフッ、神兵と言っても所詮その程度ですか。これでは信徒とあまり変わりませんね」
信徒とか神兵とか魔女狩りの用語を並べるとは、こいつ一体何者なんだ。
「もうダメ・・・」
「私も」
俺が必死に頭の中を整理していると、相馬さんと皐月の弱音が聞こえてきた。
俺は励まそうと2人の方に顔をやると・・・・
「おい!どうしたんだよ!」
2人は石になったみたいに動かなくなっていた。
「お前2人に何をした」
息を切らしながら俺はその女に叫んだ。
「魔力が低い証拠です。グランドを見てみなさい」
女の言うとおりにグランドを見てみると、そこは人が人形みたいに固まっていた。
「魔力のない者は私が結界を張った瞬間固まってます。さぁあなたたちはあと何分持つかしら」
「何が目的だ?」
朝霧先輩は魔力を高め応戦状態に入った。
「目的?フフフ、あなた達が潰しあわないから、私達が手を下したまでですよ」
「だからどうして俺らが潰しあう必要があるんだよ!」
『アースシェイカー』
烏丸が魔法で地面を伝って女に攻撃をしようとしたが、途中で途切れた
「はぁはぁ・・・やべぇ、魔力の消費が激しすぎる」
どうやら、ここで魔法を使うのはやめといた方がいいみたいだな。
「使えない神兵はいらないってことです。」
「っということは4人はお払い箱ということか?」
「そういうことです。信徒に降格させるのも屈辱だと思うので、殺してあげます」
のっけからこんな大ボスとかアリなのか?
俺はそう思いながら意識が段々薄れていった。
「その辺にしといたらどうや?」
「メシア様もお遊びが過ぎます」
「幹部会?それにメシア様って・・・・」
女の背後に幹部会の光明寺さんや水無月さん達がいた。
「そろそろこの結界を解除していただけませんか?この子達がかわいそうですよ」
「しょうがないですね。貴方がそういうってことは、何か考えでもあるのでしょう」
『封結解除』
女はそう呟き結界を解いた。
「はぁはぁ、死ぬかと思った〜」
「あれ?私達は一体?」
皐月たちも元に戻り、俺は地面に寝そべった。
「久遠時さん、その女の人ってまさか・・・・」
朝霧先輩が恐る恐る聞いた。
「この方が魔女狩りのトップのメシア様です。顔は隠されてますけどね」
いつものスマイル顔で久遠時さんが説明した。
「それでこいつらを生かしたってことは何か考えあるんですよね?」
「はい。この子達を片桐一家滅亡計画のメンバーに加えたいと思います」
「これでこいつらが役に立ったら、5人とも神兵と認めたってくれよ」
久遠時さんと光明寺さんの説得でメシア様は頷いた。
それにしても、せっかく元の学校生活に戻れたと思ったら、また修行かぁ
しかも今度は命がけみたいだし・・・・
はぁ・・・今度はいつ戻ってこれるやら
めちゃ×2間が空いてしまってすみません。
この話からまた週1づつ投稿していく予定なのでヨロシクお願いします。