プロローグ
こんにちは、本作ではウォーバードと名乗っている皐月二八です。
テスト前にモチベーションをあげるために投稿。
発掘作業をしていたら、昔のPCからみつけたので、少し編集して投稿することにしました。
不定期ですが、宜しくお願いします。
―――――――――――――――――――――――――お前は邪魔だ。
そう呼ばれる事が多かった。
―――――――――――――――――――――――――能なしめ。
―――――――――――――――――――――――――“あの子”と比べて……。
そんなことを、よく言われた。
其れが嫌だった。
だから、努力した。
でも、それも、あいつの才能には遠く及ばなかった。
俺が一生懸命努力して手に入れるモノを、あいつはあっけなく手に入れた。
それでも、俺はあいつが好きだった。
護りたいと思った。
たった一人の、かけがえのない妹だから。
だから、俺は――――――――――――――――――――――――――――――――――――空を駆ける。
こうすることが、俺の存在価値だ。
其れを証明するために。
そんな自分への恐怖を、まぎらわせるために。
夢を、見ていた。
私は、何時から私になったのだろう。
“神童”と持て囃された。
でも、誰も私の事を愛してくれなかった。
愛してくれたのは、唯、一人。
あの人だけだ。
窓の外から、あの人と有象無象の鉄屑が、蒼い空を駆けているのがわかる。
窓には、私自身も映っていた。
藍色の、肩まで届く程の長髪。
藍色の、キラキラ輝く瞳。
白い、本当にとても白い肌。
ピンクに染まった、艶やかな唇。
何度見ても、吐き気がする。
此の顔。
此の身体。
何度見ても、大嫌いだ。
英雄譚を見ていると、いつも思う。
たった一人の英雄がどれ程活躍したところで、世界は変わるのだろうか、と。
断言できる。
二人いれば、世界を変えるには十分すぎる。
こんなプロローグですが、頑張っていきます。