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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

仕事おサメ(短編)完結

作者: あさいらむーん
掲載日:2026/11/05



アビーはコロニーの外で待機していた


展開している太陽光反射ミラー“ガラス張りの川”から内部を見つめている


同僚のフランクも姿は見えないがコロニーの対角線上にてこちらの死角となる位置で監視している


「フランク、遅くない?ラザール議員の車が現れないわよ!?」


「アビー、焦るなよ?予定変更の連絡は無い

 それより、今回のターゲットを済ませたら引退するって本当かい?まだまだ腕は鈍っちゃいないだろう?何故だ??」


「息子が物心つく前に狙撃手の仕事を辞めたいだけよ!こんな裏社会な仕事に未練は無いわ」


「じゃあ今回でペアは解消か、残念だな

 アンタとは安心して任務をこなせてきたから

 しかしアンタがレジ打ちの仕事をするようには思えんがな」


「シィッ!あの黒いシャトルはなに?」


「俺からは見えないが」


スナイパー家業の最後の仕事で標的間違いは避けたかった


標的のラザール議員は海洋プラントの推進派だ

水産プラントはおもに淡水加工物に限定されてきた

それは海水では設備の劣化が早すぎるためコストが合わなかったからだ


地球からの水産加工物はとても貴重でスペースノイドの庶民の口にツナですらほとんど手に入らなかった


そんな中ラザール議員は試験的な海水プラントの生産と設備を非合法に行っており、政敵も多かった


「アビー、今連絡が入った!議員はすでに海洋プラントに入管している、あのシャトルはダミーだ!上を見ろ!あの海洋プラントまで飛べるか?」


シリンダー型スペースコロニーは20から50基程度の丸いユニットを伴って回転している

それは農業プラントや水産プラントなどの生産地、貯蔵地として運用されていた


「40秒ほど待って!監視カメラがもうすぐ向こうへ向くから」


コロニーの外壁周辺をモニターしている自立型監視カメラは定点観測しながら一定間隔で向きを変える


数秒後、カメラが自動的に向きを変えた

「今よ!フランクも飛んで!」


2機のスナイパーカスタムは少しだけバーニアを吹かせふわりとコロニーの外壁から浮き上がる


今までコロニーの反対側に居て目視できなかったフランクの機体が一緒に上昇している


2機はゆっくり上がっていく


コロニーの外周部に備え付けられた巨大なサークルにたくさんのプラントが固定されている


「どれッ!?」


「12番だ!急げ!」


小刻みな姿勢制御をした





「正面の通用口は使えない、裏に排出用の隔壁孔があるはずだ、そこから侵入しよう!」


死角の位置に身を潜め、排出口から侵入する

二重のエアロックを通ると、そこは水で満たされた水産プラントだ


しかも通常の淡水ではない

禁止されているはずの塩水だ


「フランク?これ海水よ?どうして!?

 こんなのあり得ないわ、すぐに設備が腐食するはずなのに!?」


「ラザール議員の視察の目的はこれか!

 海産物は淡水ものより高価で取り引きされるだろう?地球からの輸入しか手段が無いからな、

 ラザールは条例を破って禁止されている海産物で裏取引してるんだ

 今回の標的にされたのもきっと政敵からの依頼だな」


「そんなこと私には関係ないわ、私は任務を遂行するだけ!近くに管理センターがあるはずよ、標的はきっとそこよ!」


そのときフランクのセンサーが何かを探知した


「まて、何か近づいてくるぞ!?」


「議員の乗ったシャトルじゃない?プラント内の視察に来ているんでしょう?」


「いや、それにしては、あまりにもスピードが」



その直後、アビー機のスピーカーにはフランクの絶叫とともにガンガン!と衝撃音が聞こえたあとプツリと通信が途絶えてしまった


「フランク??」



身構えるアビー

全神経を研ぎ澄まし、どこから来ても対応出来る姿勢をとる


あ!と思った瞬間

頭上から大きなものが体当たりしてきた!

すんでのところでひらりとかわす


「なに??今の?? 生き物じゃなかった?」


通り過ぎた大きな生物はアビーの足下に消えていった


すぐにスナイパーライフルを足下に向け、いつでも射撃できる姿勢を取る


しかし足下は濃紺の色味だけで照明が無いと何も見えなかった


「暗すぎて遠くが見えない!」


そう思った瞬間、


怪物は足下からでなく正面から突っ込んできた!


「サメッ!!??」


巨大なサメが猛スピードで迫る!



アビーの下半身はあっという間にサメに咥えられ、頭をブンブンと振り回し、アビーの全身の骨を砕いてしまった……




遠くで重装甲の海洋挺がモニターしていた


「議員、侵入者の処理が完了したようです」


「ああ、わたしが依頼した“餌”だよ、消えても問題ない人間を雇ったんだ

 私の可愛いマックスの為にね」



議員のペットの朝食が終わった



おわり





※※※あとがき※※※

2025.05.07.


ここからはあとがきです


最期まで読んでいただき、ありがとうございます


むーん短編集の第6弾になります


今回も第5弾「見おサメ」に続き宇宙を舞台にしたSFです


今回は宇宙に浮かぶスペースコロニーで暮らす裏家業の女性が主人公です



ちなみに「見おサメ」と「仕事おサメ」の間に何本か書いた短編があって、SF続きにならないようにしていたのですが、


ひとつはサメが出てこずにボツ

(今回のシリーズの目的は「サメ短編」を10本書く!という自分へのお祭り企画なので!!)


もうひとつの没理由は下書きから「ただのエロ話し」で終わってしまったためボツにしました



ストックがいくつか減ったなぁーー!!


今回の短編は2ページ分しかないので、試し書きでもあっという間に書き終えてしまいました


本編を書いてても特に付け足したい文言も無かったので、下書きそのままです


短すぎてアッサリしてしまったかもしれません


なかなか綺麗にオチるとこまで考えるのは難しいですね



これ以外にも何本か数ページだけ試し書きしてみたものがあったのですが


なかなかサメをストーリーに絡めるのが難しくて


(泣)


この短編シリーズの「サメ縛り」に苦しめられております



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