部員不足でピンチ!女子駅伝部のエースがあざとい系に?
陸(中身は凛)が入部して2日後、男子駅伝部の部員4人が授業の合間の休み時間にそれぞれ、色んな生徒に話しをかけまわっている。
ちょうど、陸(中身は凛)のクラスに隼人がやってきた。
陸(中身は凛)「隼人くん、男子駅伝のみんながソワソワしているけど、何かあった?」
隼人「実は……男子駅伝部なのにこのままじゃ駅伝に出れないかもしれないピンチなんだ」
陸(中身は凛)「…えっ!まさか……人数が足りない!?」
隼人「そのまさかだね。男子は6人いなきゃタスキは繋げない。ところが今年の入部は俺の弟だけ。だから不動くんを仮に入れたとしても5人だから1人足りない」
隼人は淡々と現状を語る。
陸(中身は凛)「(男子駅伝部の人数が少ないのは知ってたけど、まさか1年生の入部が1人だけとは……)1年生はだいたい声かけた?」
隼人「ほとんど声はかけたけど、1年生は部活を決めたばかりで難しそうだった。2年生にも走りそうな人はいない。だから3年生にも勧誘を始めたけど見つからないね」
そこへ犬飼から連絡が入る。
3年生でも見つけることはできなかったと。
陸(中身は凛)「(お兄ちゃんは堅苦しいし、犬飼くんは口が悪いし、隼人くんは押しが弱いからこのままだと本当に見つからなそう……)」
授業中、陸(中身は凛)は誰かいないか頭の中を巡らせる。思い浮かんだのは陸の仲良しのオタク2人組の亀山と佐竹だ。あの2人は走るのかな?と自問自答するもなかなかイメージできない。だが、そうも言ってられない。メンバーが揃わなければ、そもそも全国なんてもってのほか。1人の1日1日の練習の遅れが駅伝の全体のタイムに直結することを凛は知っている。
意を決して早速、昼休みの時間に2人の元へ陸(中身は凛)が向かう。
亀山「どうした?陸?今日もそんな怖い顔して?」
陸(中身は凛)「2人に伝えたいことと、お願いがあってきたんだ!」
佐竹「お、おう!陸のお願いなら何でも聞くぜ!」
佐竹は軽い口調で言う。
陸(中身は凛)「伝えたいことは僕は駅伝部に入部したということ!お願いは2人にも駅伝部に一緒に入部してほしいんだ!」
亀山「……駅伝部?」
佐竹「……入部?」
2人は陸が駅伝部に入部したのも信じられなかったし、まさか陸に入部を誘われるなんて思いもよらなかったので固まっている。
亀山「……流石に俺ら3年生だし今から入部するのは流石に無理じゃないか?まともに走ったこともないし……」
佐竹「陸は駅伝部てダイエットでもするの?てか、陸も駅伝を走るのか?」
佐竹は陸のたるんだお腹を見て言う。
そのお腹の持ち主からは想定外の提案で困惑している。
陸(中身は凛)「ダイエットはするけど……ダイエットが目標ではなく……駅伝に出たいんだ!」
亀山「いや、他にもっと誘えそうな人はいると思うけど……何で俺らなんだ?」
運動に対して、特に走ることに対してはキツイツラいイメージが先行して亀山の中では答えは決まっていた。
佐竹「力になってやりたい気持ちはあるんだが、俺達じゃきっと力不足で足を引っ張ると思うし、何より駅伝部の他のメンバーに迷惑はかけられないよ……折角だが……すまん。陸」
佐竹は前向きに物事を考えてくれるが、現実主義で出来ることはやるが出来ないことはキッパリと断る性格だ。
陸(中身は凛)「(私じゃこの2人は説得できなさそう……説得するには不動くんに相談するしか無さそうね……)」
陸(中身は凛)は凛(中身は陸)にすぐメッセージを送る。緊急事態!今すぐ校舎裏に来て!
凛(中身は陸)「(凛さんから緊急事態!?)」
不穏な空気を感じ、すぐに校舎裏へ行き、
2人は誰にもバレないように周りをキョロキョロしながら落ち合う。
陸(中身は凛)「不動くん、来てくれてありがとう!実は相談があるんだけど……」
凛(中身は陸)に対して事の経緯を全て説明した。
凛(中身は陸)「あの2人を説得する方法……絶対成功するとは限らないけど……凛さんの体を使えばいけるかもしれない……」
陸(中身は凛)「ちょ、ちょっと!私の体を使うって!何て変なこと考えてるの!!」
凛(中身は陸)「あっ!変な意味じゃないよ!自信は無いけど僕に任せてみて!やれるだけの事はやってみるよ!放課後に2人のとこに行くからよろしく!」
妙に自信があるのが陸(中身は凛)は引っ掛かっている。
そして放課後。
亀山と佐竹の元に凛(中身は陸)が行く。
少し離れたところで陸(中身は凛)が見守っている。
陸(中身は凛)「(任せたわよ!不動くん、不動くん!?)」
そこにいた凛(中身は陸)はいつもとは違う髪型で三つ編みに前髪には赤い特徴的な可愛らしい髪留めをしてある。
陸(中身は凛)「(ちょっと!私の髪でなんてことを!?そんな髪型は私のイメージじゃないのに!)」
恥ずかしさのあまりに陸(中身は凛)は顔が真っ赤になる。
凛(中身は陸)「亀山くん、佐竹くん、ちょっといいかなぁ?」
上目遣い、甘い声を使い、あざとい雰囲気で2人に声をかけた。
2人は目を合わせてドキッとした。女性から声をかけられることなど、ほとんど無いし、ましてや学校内で人気のある、あの羽瀬凛から声をかけられるなんて奇跡的な出来事なのだ。
ドキドキしながら亀山が答える
亀山「ど、どうしたんですか羽瀬さん!」
凛(中身は陸)「2人にお願いがあるんだけど……駅伝部に入らない?」
可愛らしい声で2人を誘う。
佐竹「……駅伝部?いくら羽瀬さんのお誘いでも俺達に駅伝は……ちょっと……」
歯切れ悪く佐竹が答える。
凛(中身は陸)「お兄ちゃんがいる男子駅伝部……人数が足りなくて困ってるの……2人が入ってくれたら嬉しいな!」
亀山「羽瀬さんが喜んでくれる、と思っても走れる自信はないなぁ」
凛(中身は陸)「未知の挑戦ほど、成功したときの喜びが大きいわよ!」
急に口調が変わり、アニメのセリフ口調で言う。
2人がまた驚いて目を合わせる。
佐竹「そのセリフは……まさか?やはり……」
凛(中身は陸)「異世界転生美少女アニメのヒロインの有名なセリフ。このセリフに私も勇気をもらってるの」
亀山「今日の髪型もやはりそうですよね??」
凛(中身は陸)「そう!今日の髪型はあのヒロインのマネをしているの!似合うかなぁ?」
髪型は桃葉に頼み、「好きな人ができたからしょうがないなぁ」とノリノリで手伝って整えてきたのだ。
亀山と佐竹は2人は凛(中身は陸)の可愛さに興奮していた。
亀山「うぉーー!!」
佐竹「ぐぅーー!!」
陸(中身は凛)「(もうやめてーー!無理っ!恥ずかしいー!)」
陸(中身は凛)は顔を覆って赤い顔を隠していた。
凛(中身は陸)「(よし!よし!もうひと押しだ)もし入部してくれたら、駅伝を走り終わった後に……ふ・た・り・だ・け・に、耳元で『頑張ったね、大好きだよ』って囁くボイス入り目覚まし時計、録音してあげる……。ダメ……かな?」
一番効く一撃を繰り出すために、アニメのキャラクターのセリフを上手に喋り、あざとく小首を傾げ、潤んだ瞳で二人を見つめた。
聞いていた陸(中身は凛)は、更に顔面が沸騰しそうなほどの顔を赤らめて羞恥心に襲われた。
陸(中身は凛)「(ちょ……! ちょっと待ちなさいよ! 私、そんな顔しないし、そんなキャラじゃない! 私のイメージが、私の清廉潔白なクールなイメージが、一瞬で『あざとい系女子』に書き換えられていく……! やめて、それ以上は死んじゃうーー!!)」
亀山・佐竹「「ギギギギギーー!!(脳内麻薬が限界突破)」」
凛(中身は陸)は無自覚に3人の脳を破壊してしまっていたのだ。
亀山「……やりましょう!俺たちの青春を全て駅伝に振り分ける時が来たようだ!」
佐竹「今なら誰よりも速く走れそうだ!駅伝で喜びを分かち合いましょう!」
あれだけ拒んでいた2人が入部を決めてくれたことに凛(中身は陸)も驚いていた。
凛(中身は陸)「(まさか本当に成功するとは思わなかった。凛さんのポテンシャルは凄いな)」
二人が狂喜乱舞して入部届をダッシュで取りに行った後、陸(中身は凛)が鬼のような形相で、凛(中身は陸)の元へ駆け寄る。
陸(中身は凛)「ちょっと不動くん!! あんた、よくも私の体であんな破廉恥な演技を……! 『大好きだよ』って何!? 誰がそんなこと言えって言ったのよ!!」
凛(中身は陸)「ひっ、ひぃぃっ! すみません! でも、そうでも言わないとあの二人は絶対動かないんです! 成功したからいいじゃないですか、許してくださいー!」
陸(中身は凛)「許さない! 戻った後、私がどういう目で見られるか考えたことあるの!? このバカ!!」
こうして無事に?男子のメンバーを揃えることができた。陸(中身は凛)は男子の考えていることが理解できないと思いながらもメンバーを集められたことに安堵していた。
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