表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/43

桃葉の疾走。想いを走りに乗せて

陸の母は朝、陸(中身は凛)から貰った駅伝の詳細が書いてある紙を見ていた。


陸の母「女子の1区は3kmで2区から4区までが2km、5区のアンカーが3kmを走るみたいね。名前まで丁寧に書いてあるわ。周回コースだから、タスキを渡す直前のこの辺にいれば丁度いいはず」


陸の父「ということは1区とアンカーにエースクラスの選手が走るから最初から激しいレースになりそうだね」


スタートした女子のレースは桃葉と蒼姫中が飛び出して2人で1位争いをしている。桃葉が前を走り、後ろは振り返らず、前だけを見ている。


桃葉「はぁはぁ(みんなのために私が流れを作る!)」


1km地点では亀山が状況を伝えながら応援をしている。


亀山「結城さん!ファイト!最初の1kmは3分11秒で通過!この調子でいこう!」


桃葉「はぁはぁ(想定よりも少し速くて、少し苦しいけど、大丈夫)」


蒼姫中の苦しそうな呼吸を感じて桃葉は引き離すためにペースを上げた。


桃葉「はぁはぁ(少し早いけど、ここで仕掛ける!)」


桃葉のペースに蒼姫中の選手はついていけず、段々と離れていった。2km地点は男子のメンバーが全員で応援をしている。みんなの大きな声の応援で駿の応援が聞こえにくかったが、桃葉にはしっかりと聞こえた。


駿「桃葉!ラスト1kmだ。まだまだ引き離すぞ!」


駿の応援で元気を貰い、更なるスパートをかけた。


桃葉「はぁはぁ(駿くんのお陰で今、走ることができている。もし駿くんがいなければ私は部活にも入らずに、何も無いまま3年間を過ごしていたと思う。こんな素敵な仲間、楽しい時間、青春をくれてありがとう。だから、このチームでもっと走っていたいの。全国に行って、まだまだ青春を続けたい!またこのチームでタスキを繋ぎたい!)」


ラスト500m地点、陸の父と母が応援している場所に最初のランナーが見えてきた。


陸の母「うちの中学校の桃葉ちゃんが1位で来たわよ!」


陸の父「何!?しかも2位とけっこう差をつけてるじゃないか!桃葉ちゃん!!!ラスト頑張れー!!!」


陸の父は1位で走ってきたことに興奮して、大きな声で応援した。


タスキ渡し手前では美月が応援している。

「桃ちゃん!あと少しでゴールだよ!」


桃葉「はぁはぁはぁ(1秒でも貯金を作る!!!)」


重い足、今までに無いくらい乱れる呼吸。あまりのキツさに歯を食いしばり、不恰好に腕を振り、ラストスパートで一気にペースを上げて、タスキを肩から外した。2区の白石に勢いよく渡して、白石は渡されたタスキをすぐに肩にかけて快調に走り出す。その後に少し離れて2位で蒼姫中がタスキ渡しをした。


村田先生「凄い走りだったぞ!9分26秒で区間賞、おめでとう!」


烈華と凛(中身は陸)が近くに来て走りを讃えた。


凛(中身は陸)「桃らしい、最高の走りだったよ!後は私達に任せて!」


烈華「桃!ナイスラン!2位の蒼姫中は9分40秒だから14秒の貯金はある!1区でこの貯金はデカいわね!」


桃葉は走り終わっても呼吸が苦しいままで、膝に手をついていた。


桃葉「はぁはぁ……みんなの応援のお陰で、走れたよ!」


蒼姫中のエース鬼木が近くに来た。


鬼木「今は私達が負けてるけど、アンカーになる頃はうちが1位になってるわ。なぜなら4区にはうちの秘密兵器、超スピードランナーがいるからね」


烈華「ふふ。楽しみね。でも区間賞を獲るのは私。そして最後に勝つのはうちのチームよ」


鬼木はほっぺを膨らませて自チームに戻っていった。


凛(中身は陸)「(烈華さん、あんなに強気なの凄い。僕はそんなこと言えないなぁ)」


その後、2区では白石が蒼姫中の猛追を受けて、必死に逃げたが、アッサリと抜かれて2位に後退し、5秒差に。3区の足立も悪くない走りはしたが、蒼姫中には全く歯が立たず更に差を広げられて、4位まで後退。


ようやく中継所に足立がやって来たがヘロヘロで疲れ切っていた。そんな足立を烈華は明るく希望を持った顔で迎える。


足立「はぁはぁはぁ。先輩、ごめんなさい……」


烈華「大丈夫よ!」


烈華は自信に満ち溢れたオーラを纏ってタスキを受け取る。颯爽と走り出して、後ろから村田先生の声が聞こえた。


村田先生「トップとは33秒差!烈華!ここで詰めるぞ!」


烈華は分かったと言わんばかりに手を挙げて反応する。心は冷静になりながら、情熱的で熱い走りでスタートした。


烈華「(2km区間で33秒差。簡単ではないわね。待っててね凛)」


烈華は前を走る背中を、まるで獲物を狩るような鋭い視線で見つめ、一心に走っている。


ここまで読んで頂きありがとうございます!駅伝編、是非次話も読んで頂けますと嬉しいです!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ