駿の返事。犬飼の暴走
静寂の中、駿が桃葉の告白に答える。
駿「分かった。宜しく」
全員がまた唖然としながら、何が起きているのか理解できないでいた。
一同「えっ?」
犬飼「駿、今、分かったって言った?」
駿「そうだが?それがどうした?」
一同「えーー!!!」
鷹斗「それはOKってことですか??」
駿「そういうことだ」
桃葉「あわわわー!!」
桃葉も興奮し過ぎて言葉が出ない。
佐竹「結城さん!良かったーー!」
陸(中身は凛)「本当にOKなの!?駿くんなら駅伝が終わってからだ!とか言うと思ってた!」
駿「そんなこと俺は言わない。何かを終えてから何かをやる。という考えは俺には無い。今、全て同時進行でやるんだ。いつかやる、何かが終わってからやるでは遅いんだ。そんな考えでは結局、何もなし得ないことが多い。だから走りも恋愛も同時進行でも問題無い」
烈華「珍しく饒舌ね……まさかこんな恋愛観をもってるのも意外というか……凄いとしか言いようがない……」
凛(中身は陸)「みんなの前で告白する桃もメンタルが化物だね……」
犬飼「駿は本当に桃ちゃんのこと好きなのか!?」
駿「何を言ってる犬飼。俺も桃葉のことが好きだからOKをしたに決まってるだろ。ただ、今まで言う必要がないと思っていただけだ。だが、聞かれたなら隠す理由もない」
桃葉「駿くんも私のこと好きだったの!?」
桃葉は幸せ過ぎて失神寸前だ。
犬飼「それなら好きなとこ3つ言ってみろ!言えるのか!?」
駿「いいだろう。1つ目、顔が可愛い。誰がどう見ても可愛いだろ」
女子部員達が「キャー」と顔を赤くしている。
駿「2つ目、走りに対して真っ直ぐで努力を怠らないところが可愛い」
隼人「そういうこと……平気で言えるの凄い……」
駿「3つ目、全ての仕草が可愛い。以上だ。これを踏まえて桃葉はこれより、俺の彼女だ。みんなよろしく」
あの駿が、一切の照れもなく断言した。その威力は、並の中学生には耐えられるものでは無かった。あまりの大胆な発言に悲鳴や雄叫びのような声がそこらじゅうに響いた。
鷹斗「恋愛には興味が無さそうな駿さんが……そこまで、ストレートに想いを伝えられるなんてカッコいいっす!」
桃葉「いやったーーー!!!幸せ過ぎて死んじゃう!いや、今は絶対に死にたく無い!!駿くん大好き!」
美月「今の中学生は凄いわね……でも駿、可愛い彼女が出来て良かったね!」
亀山「おめでとう!キャプテン!」
みんなが拍手を始めた。
駿「ただし!1つだけ条件がある。男子も女子も全国に行けなかった場合、別れることにする。それは走りと恋愛を両立できなかったということで戒めとしてだ。だが、俺は走ることは疎かにするつもりはない」
桃葉「ぜっったいに全国に行くよ!みんな!!頑張ろうね!!!」
桃葉にも絶対に全国に行かなければいけない理由ができた。
烈華「あなた達の為って、訳じゃないけど、また1つ全国を目指す理由ができたわね」
烈華は笑いながら話す。
凛(中身は陸)「私も2人のために頑張る!(僕と凛さんと同じで全国に行かないと大変な事になるから、もっと気合い入れないと!)」
陸(中身は凛)「僕も2人のためにもっと頑張るよ!(お兄ちゃんと桃のためにも全国へ行く理由が烈華の言うように1つ増えた)」
凛(中身は陸)と陸(中身は凛)は2人で顔を合わせて目で合図していた。
駿と桃葉が別れさせないためにも男子駅伝部、女子駅伝部ともに一致団結した。それは駿と桃葉がみんなに好かれるからこそだ。
幸せムードの中、犬飼がソワソワしていた。
犬飼「これは、俺もいけるんじゃないか……」
ボソッと独り言を言っている犬飼に気付いた陸(中身は凛)は嫌な予感がした。
陸(中身は凛)「(犬飼くん……この勢いで変な行動起こさないでね……)」
犬飼が凛の元へ行く。
犬飼「俺も今、告白する!!凛ちゃん!!俺は凛ちゃんのことが好きです!俺と付き合って下さい!」
上半身が90度に曲がり、右手を伸ばしている。
またまた、あまりの出来事に一同がポカーンとして静寂に包まれた。凛(中身は陸)は困った表情をしていて、みんなはどういう返答をするか静かに待っていた。
凛(中身は陸)「えっ……ごめんなさい!」
その言葉を発した瞬間に気まずい空気が流れはじめた。犬飼はごめんなさいという言葉をすぐには理解できなかった。
犬飼「……ごめんなさい、ということは……付き合えないってことだよね?」
状況をすぐに理解できず、思わず聞いてしまった。
凛(中身は陸)「そうだね……ごめんなさい(犬飼くん、ごめん。凛さんが誰かと付き合うのは僕が嫌だ……)」
陸(中身は凛)「(陸くん、良かった……OKすることは無いとは思ってたけど、一瞬ヒヤッとした……)」
犬飼の顔がぐしゃぐしゃになり、叫びながらどこかへ走っていった。そのスピードは今日のポイント練習よりも明らかに速かった。
犬飼「うぉーーー!俺の青春!さようならーー!!」
隼人「……あのバカ……」
幸せムードから一変して気まずい雰囲気だ。
鷹斗「この空気、どうするんすか?」
誰も言葉を発することができず、鷹斗が言葉を発した。
駿「あいつは大丈夫だ。少し経てば元に戻る」
美月「今の中学生は凄いわね……(凛さん、他に好きな人がいるのね)」
こうして波乱の3日目が終わった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!引き続き合宿編を読んで頂けますと嬉しいです!




