女湯の危機と綺麗な朝日
桃葉にお風呂に連れていかれそうになり凛(中身は陸)は葛藤していた。
凛(中身は陸)「(女湯!?男の夢である女湯に入れるチャンス……でも凛さんにバレたら……でもバレなければ……いけるか……いけまいか……バレたら……)」
桃葉「どうしたの凛ちゃん?早く行こうよ!」
桃葉はいつも以上に腕を力強く引っ張る。好奇心や煩悩と桃葉の強引さに負けそうになっていたが、凛(中身は陸)は苦渋の決断をした。
凛(中身は陸)「一緒に行きたい気持ちはあるんだけど、まだやる事があったから先に入ってて!私は後から1人で入るから!ごめん!」
強く引っ張られていた腕を無理やりほどいた。
桃葉「えぇー!残念!じゃあ先にみんなと入ってるね!」
桃葉は渋々、お風呂に向かった。
凛(中身は陸)「(ギリギリで耐えた……でも、もったえなかったか……いや、凛さんにバレたら相当ヤバいからこれでいいんだ……)」
みんながお風呂から上がったタイミングで凛(中身は陸)は1人でお風呂に入った。
凛(中身は陸)「はぁ〜。露天風呂は気持ちいい〜」
1人で入るには贅沢な風呂だった。1人でゆったりと風呂に入っていると、そこへ誰かがお風呂に入ってくる影が見えた。凛(中身は陸)はヤバいと思うも隠れる場所もないので息を潜めている。
そして体を洗い終わり、露天風呂へとやってくる。それは烈華だった。
烈華「あら、1人でゆっくり入ろうと思ったのにまだ入っていたのね」
凛(中身は陸)は胸を見て思わず呟いた。
凛(中身は陸)「負けた……」
烈華「ん?」
凛(中身は陸)「わ、私も1人で入ろうと思ってたから!(これは不可抗力だからノーカンのはず)」
烈華「考えていることは一緒ね。それにしても顔がだいぶ赤いみたいだけど、大丈夫?」
あまりの状況に困惑しながらも誤魔化すしかなかった。
凛(中身は陸)「あ、うん……ちょっとのぼせたかな……」
烈華はフッと笑い、凛の目を見ながら柔らかい表情で語り始めた。
烈華「最近、凛は変わったよね。去年までは1人で突っ走って、思い詰めた表情をしていたけど、今は何となく柔らかくなったというか……明るい表情になった気がする。まるで別人みたいね」
別人みたいという言葉にドキッとした。
凛(中身は陸)「最近は走るのが楽しくなったからかな」
烈華は驚きながら凛(中身は陸)を見ている。
烈華「昔は好きか嫌いで考えた事が無い!って言ってたけど、変わったね。凛にも何かを変える出来事があったのね」
凛(中身は陸)「(凛さん、昔はそんなこと言ってたんだ……)そ、そうだね。みんなと走るのが楽しいし、烈華とも走れるの楽しいよ!いつも感謝してる!それじゃ先に上がってるね」
凛(中身は陸)はのぼせるギリギリでお風呂を後にする。
烈華「感謝してるのは私よ……凛。あなたが前を向いてくれたから、私も止まらずにいられるんだから」
1人残されたお風呂で呟いていた。
一方、男湯では陸(中身は凛)は気にせずみんなとお風呂に入りにきていた。服を脱いだ陸(中身は凛)に亀山と佐竹が驚いていた。
亀山「陸……めちゃくちゃ絞れている……てかいつの間にそんなにマッチョに……」
佐竹「まるで別人じゃないか……今は体重何キロなんだ?」
陸(中身は凛)「だいぶ絞れたね。最近は測ってなかったけど、体重計に乗ってみようかな」
体重計に乗ると65.1kgと表示されていた。
亀山「すげぇー!約35キロも痩せたのか!」
佐竹「俺らと同じくらいの体重じゃないか!まじで凄いな!」
陸(中身は凛)「ふん!もう少しってとこかな!」
いつもより凛々しく、自慢げな顔だ。
その後、夕食は全員揃って食べ終えて、それぞれの部屋に戻って就寝した。
翌日の朝、まだ朝日が昇る前、みんなが寝静まっている中、陸(中身は凛)は先に起きた。ウェアに着替えてランニングシューズを履き、走りだした。10分ほど軽く走ってると遠くで走る人影が見えてきた。
走っていたのは凛(中身は陸)だった。追いつけるように少しペースを上げた。
陸(中身は凛)「おはよう!陸くん!」
朝の暗い時間に話しかけられるとは思っておらずビクッとなったが陸(中身は凛)を見てペースを落として合流した。
凛(中身は陸)「おはよう!凛さん!起きるの早いね」
走りながら2人が話を始める。
陸(中身は凛)「犬飼くんのイビキがうるさくて起きちゃった」
陸(中身は凛)は楽しそうに笑いながら話す。
凛(中身は陸)「犬飼くん、昼間も夜もうるさいんだね」
凛(中身は陸)も爽やかに楽しそうに話す。
陸(中身は凛)「陸くんも随分、早くから走ってるね」
凛(中身は陸)「何となく眠れなくて。あ、でもこっちはイビキがうるさい人はいなかったよ!」
陸(中身は凛)「ふふ。それはそうよ。それより、もうすぐで朝日が見れそうだから、あっち走ろう!」
陸(中身は凛)に誘導され別の道を走りだす。段々と朝日が昇り明るくなってきた。
凛(中身は陸)「めっちゃ綺麗だね。こんなに綺麗な朝日を見たの初めてかも!」
陸(中身は凛)「この朝日を見たかったんだ。以前、兄と来たことがあって、また見たい!と思ってたの」
朝日に照らされながら2人とも眩しそうな顔をしている。少しの間、朝日に見とれて無言になったが、凛(中身は陸)が切り出す。
凛(中身は陸)「なんだか、随分遠くまできたなぁと思うよ」
陸(中身は凛)「そうだね。体が入れ替わって色んなことがあったけど、今は順調に進んでる気がする。お互いにまだ見ぬ景色がまだまだ見れそうね」
凛(中身は陸)「ふふ。凛さんて、たまにカッコいいこと言うよね。ちょっと中二病ぽいセリフ」
陸(中身は凛)「そう?そういえば、亀山くんや佐竹くんにも最近カッコいいこと言ってるって言われた!まさか2人とも中二病ぽいって思ってたのかな!?」
凛(中身は陸)「いや、あの2人は本当にカッコいいと思ってるよ!僕だってそう思ってる!」
陸(中身は凛)「じゃあ、朝日に向かってもっとカッコいいこと言ってみようかな!」
陸(中身は凛)がニヤリとすると朝日に向かって急に叫んだ。
陸(中身は凛)「全国に行くぞーーー!!!」
凛(中身は陸)はキョトンとしていた。
凛(中身は陸)「凛さんもそんなに叫んだりするんだ」
陸(中身は凛)「ふふ。亀山くんと佐竹くんのマネをしてみたの。彼らの熱量がわたしにも伝染したということかな」
凛(中身は陸)も大きく息を吸い込んでいた。
凛(中身は陸)「絶対に全国へ行ってやるーーー!!!」
この体でこんなに大声が出せると思っていなかった。綺麗な大声だった。2人は大笑いをしながらゆっくりと走り出し、宿舎に戻っていった。
一方、駿も朝の軽いランニングをしていたところ、最初の大声が聞こえて声の方に向かっていた。次に大声を出した凛(中身は陸)で2人に気づいた。
駿「あの2人……また会ってるのか……いったい何をやってるんだ……」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!たくさんの方々に読んでいただき大変嬉しいです。合宿編是非読んで頂けますと幸いです!




