表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/43

隼人と佐竹。師弟コンビ結成

テストが終わり、7月。休み時間に隼人の元へ佐竹が向かう。


佐竹「隼人くん!一生のお願いがあるんだ!」


隼人「何だよ、急に」


佐竹「どうすれば速くなれるか教えてほしいんだ!」


あまりにも、急な出来事に隼人は困惑していた。


隼人「いや、何で俺なんだよ」


佐竹「1番、相談しやすいかなと思って……キャプテンは話しかけにくいし……犬飼くんには怒られそうだし……後輩に聞く訳にもいかず………ライバルの2人にも聞けず……特に最近の陸は近寄りがたいくらいストイックだし……」


隼人「まぁ、簡単に言うと消去法で俺になったということか」


佐竹「9月のレギュラーを決める、タイムトライアルを想像するだけで、怖くなってしまうんだ……陸も亀山も速くなって……自分だけが置いていかれるような気がして……」


佐竹なりに考えているんだなと隼人は感心していた。


隼人「俺もそんなに良いアドバイスできるとは思えないけど……」


佐竹「この前、隼人くんとお店で会った時に亀山と一緒に映画を見たら、元気が出てきて、1人で悩んでるより、誰かに相談したら何か答えが見つかるんじゃないかと思ってさ……」


普段の隼人ならすぐ断っていたが、脳裏に烈華を思い浮かべていた。この前まで自分も落ち込んでいた時に助けてもらって、自分自身が誰かの助けになるならと思い立った。


隼人「役に立つかは分からないけど、明日の朝、5時に山の麓公園に来て。そこで何をするか教える」


佐竹「ありがとう!師匠と呼ばせていただきます!」


隼人「いや、そういうのはいいから……」


翌日、朝の5時、先に2人の影があった。佐竹は慣れない早朝に軽いジョグで2人の元へ行く。


佐竹「おはようございます!師匠!あれ、九条さんも!おはようございます!」


烈華「何で彼がいるのよ」


烈華は少し不機嫌そうだった。


隼人「まぁ、話の流れというか……」


佐竹「何か2人の練習を邪魔してしまってすみません!」


烈華「まぁ、私は問題無いけど、練習は多い方がいいんじゃないかな」


隼人「そうだね。これから俺が毎日走っているコースを走るからついてきてくれ」


佐竹「師匠!分かりました!」


烈華「隼人、いつから師匠になったの?」


烈華が笑いながら、からかってるように隼人へ声をかける。


隼人「ん、師匠になった覚えはないんだが……」


軽いアップを済ませて、いざスタート。山の方に向かってゆっくりと走りだした。不整地で走りにくさがあり、アップダウンもあり、厳しいコースだ。


佐竹「ゆっくりだけど、けっこう足にくる……」


烈華「そう。不整地でのランニングは体をしっかり安定させようとして、普段は使わない筋肉を使うからトレーニングとしては非常に効果的なの」


烈華が意外にも解説してくれた。


隼人「すぐに効果が得られる訳ではないから、毎日ここを走ればいずれ走力アップにはつながるんじゃないかな」


佐竹「はぁはぁ。ゆっくり走ってるはずなのに……2人についていくのがやっとだ……」


烈華「慣れるまではペースを上げすぎない方がいいわよ。隼人はもう3年間このコースを毎日走ってるからかなり慣れてるの」


佐竹「はぁはぁ。九条さんは師匠のこと詳しいんですね」


烈華「ただの幼馴染よ……」

走っているからか、照れているからか顔が少し赤くなっていた。隼人も照れて何を言えばいいかが分からなかったので話を逸らす。


隼人「こっから下りに入るからブレーキをかけすぎず走ろうか」


佐竹「はぁはぁ。この下り、ブレーキかけないで走れる人いるのかなぁ」


あまりの急な坂に佐竹は思わず思うように走れずにいた。そして約50分かけて元の公園に戻ってきた。


隼人「今日の朝はこれで終わり。最初は大変だけど慣れれば大丈夫だから。毎朝、ここを走ってるから来たいときに来てみて」


烈華「彼、相当キツそうだけど大丈夫?」


2人がケロッとしているのに対して佐竹は汗が止まらず、膝に手を付いていた。


佐竹「師匠……九条さんも……どおりで速いわけだ……朝、この練習した後に午後も普通に部活に参加してるなんて……キツかったけどみんなに追いつきたい、負けたくないから……明日もお願いします!」


それを聞いた隼人と烈華は少し口角が上がり、2人で目を合わせていた。


隼人・烈華「よろしく」


こうして奇妙な3人の朝練習が始まった。


佐竹だけでなく、それぞれのメンバーが胸に期するものを抱え、合宿への準備を進めていた。


自分の限界を超えるため、大切な人を守るため、あるいは、本当の自分自身を見つけるために。


夏の陽炎が揺れる中、山麓町中駅伝部。 いよいよ、運命を変える夏合宿が始まる。

ここまで読んでいただきありがとうございます!引き続きたくさんの方々に読んでいただけますと幸いです!コツコツ投稿していきますので宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ