世界を動かすのはいつだって変態たち!
物語の変態さん◎
物語の書き手って変態(褒め言葉)多くないですか?
読み手の私が「おもしろい!」と思う物語に出会ったとき、
書き手の私も「おもしろい!」と思うのですが、
まさにFunnyとInterestingの違いがそこにはあります。
書き手の私は「よく思いついたなぁ……」とその発想に敬服します。
あと「ちょっと悔しい……」です。
物語がありふれた世界で、一石を投じる作品。
『DEATH NOTE』の「スーパークレイジーサイコパスなラスボス系主人公」など。
最近だと個人的には『ハイパーインフレーション』ですね。
この作品の設定には驚かされました。
先月投稿した十六本の短編小説。
そのうちの一つのコンセプトが、”女好きの主人公が、不能のせいで悶々と旅をする”物語です。
その不能の理由づけに幾らか悩みました。
主人公が寝て起きたら「た、勃たない……!?」は笑えません。
そうなる出来事を、できれば現実的ではないけれど、それでいて説得力のあるものを……。
――神、か。
そうだ。どうせなら女神にしよう。
ここまでは良かったのですが、
能動的な不能か、受動的な不能か。
つまり、女神に捧げたのか、女神に奪われたのか。
悩みどころです。
どちらも話を膨らませ甲斐があります。
そんなときでした。
設定の立案に平行して、インターネットで類似の作品はないかと調べていたときに、
「ハイパーインフレーション」の存在を知ったのは。
「主人公が神に生殖機能を捧げる対価に力を手に入れる」
思わず笑っちゃいました。
――嘘でしょ?
それでいて話もちゃんと面白い。
ジャンププラスで一生懸命ペラペラしました。
世界は広いです。いつだって上には上がいますね。
物語の二番煎じは構いませんが、設定の二番煎じにはすごく構うかもしれません。
他の発想の例を挙げると、瞳。
他の作品の温めている作品のヒロインを練っているときに、複眼のヒロインいたら不気味かわいいかな、と思いましたが、そちらも既にいるみたいですね。
じゃあスロットのように、目玉を任意で変えられるようにしよ! と考えていたら、
『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』のアニメでその設定が使われているのを見かけて、
悔しい……! となりました。
じゃあ、魔眼ごとに目ん玉を交換してやるぅぅうう……! と考えていたら、
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』でそういう登場人物がいることを知りました。
うそ、だろ……? となりました。
それが過去に拝読、または視聴した物語であれば、
――無意識のうちに影響を受けていたのかなー。納得。
なのですが、上記の例三つとも見る前に設定を構想していたので、
――しめしめ、これは独自性がありそう……な、なんだ、と……解せぬ。
これがプロとアマチュアの差なのかもしれません。
アニメの演出に関しては、物語の書き手というより演出家の領分なのかもしれませんが。
いずれにせよ、すごくないですか?
少なくとも私はすごいと思いました。
生殖機能を捧げる、目玉を変えるといった発想は、なかなか出てこないんじゃないかなと思います。
まともな思考じゃ出てこないです。
つまり――変態さん(褒め言葉)です。
やはり、物語の世界を動かすのはいつだって変態たちのようです。
現実の変態さん×




