思わぬ漢字の落とし穴!
予測変換で主力したい文字が表示されないときになって、初めて読み間違いをしていたことに気づく。
――あると思います!
漢字の落とし穴。
初見の単語であっても、書けない漢字でも意外と読むことはできてしまうものではないしょうか。
その単語の成り立ちの漢字の読み方を知っている、部首や文字の雰囲気からなんとなく。
『憂鬱』や『薔薇』などがその筆頭かもしれません。
義務教育を終えた日本人の多くは読めると思いますが、まずほとんどの人が書けないことでしょう。
自慢じゃないですけど、このエッセイを綴っている段階では私も書けません。
ではその反対に読めていると思っているけど、実は意外と読めていない漢字もあるのではないでしょうか。
読み書きする分には問題ないけど、読み方を間違われがち……かもしれない日本語たち。
それを私の独断と偏見で抽出してみました。
※五十音順
灰汁 :○あく ×はいじる
行灯 :○あんどん ×いきあかり
各々 :○おのおの ×かくかく
徐に :○おもむろに ×じょに
御中 :○おんちゅう ×ごちゅう
一世一代:○いっせいちだい ×いっせいいちだい
一段落 :○いちだんらく ×ひとだんらく
過不足 :○かふそく ×かぶそく
画竜点睛:○がりょうてんせい ×がりゅうてんせい
間髪 :○かんはつ ×かんぱつ
気障 :○きざ ×きざわり
既存 :○きそん ×きぞん
牛車 :○ぎっしゃ ×ぎゅうしゃ
玄人 :○くろうと ×げんじん
境内 :○けいだい ×けいない
言質 :○げんち ×げんしつ
古文書 :○こもんじょ ×こぶんしょ
流石 :○さすが ×りゅうせき
五月雨 :○さみだれ ×ごがつあめ
市井 :○しせい ×しい
如才 :○じょさい ×にょさい
出納 :○すいとう ×しゅつのう
早急 :○さっきゅう ×そうきゅう
大舞台 :○おおぶたい ×だいぶたい
出汁 :○だし ×でじる
月極 :○つきぎめ ×つききょく、げっきょく
続柄 :○つづきがら ×ぞくがら
作務衣 :○さむい ×さむえ
凄絶 :○せいぜつ ×そうぜつ
世論 :○せろん ×よろん
造詣 :○ぞうけい ×ぞうし
乳離れ :○ちばなれ ×ちちばなれ
手水 :○てみず ×ちょうず
重複 :○ちょうふく ×じゅうふく
女人 :○にょにん ×じょじん
刃傷沙汰:○にんじょうざた ×じんじょうざた、にんしょうさた
年俸 :○ねんぽう ×ねんぼう
直向き :○ひたむき ×ひたむき
白夜 :○はくや ×びゃくや
平易 :○へいい ×へいえき
斜向かい:○はすむかい ×はすむかい
反故 :○ほご ×はんご
発足 :○ほっそく ×はっそく
身重 :○みおも ×しんじゅう
香具師 :○やし ×かぐし
漸く :○ようやく ×しばらく
礼賛 :○らいさん ×れいさん
しかしながら、本来の読み方から間違った読み方が、世間に定着することもあります(慣用読み)。
依存、早急、重複、白夜などがこれに該当します。
輸出や輸入も大正、明治時代にはそれぞれシュシュツ、シュニュウと呼ばれていたようです。
しかし、令和はおろか平成でも、シュシュツ、シュニュウと聞いたことがありません。
むしろ、語源が正しいからと言って、古来の読み方をすると今では鼻で笑われることは請け負いです。
輸出と輸入の例からもわかるとおり、もしかしたら百年後の日本では、上記であげたすべての表現が慣用読みとして一つの正解になっているかもしれません。
白夜の読み方に関しては『BLEAH』のお兄様が与えた影響は大きそうですね。
日本で見る白夜なんて、圧倒的にお兄様の方が多いのではないでしょうか!
香具師とかもう、ですね。読ませる気ないとしか思えないです……!




