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とあるなろう作家の気持ち  作者: 0
エッセイ的ななにか
3/95

異世界ものでもコメディが書きたい!

安西先生、コメディが書きたいです……。


 書き手目線で異世界転生が流行っている理由には『笑い』の観点は大きいのだと思います。

 

 『笑い』は文化に根差していることが多く、現地主人公の異世界ファンタジーでは日本の笑いを登場させるのが難しいです。

 日本の文化が異世界にあったら不自然に感じるからです。

 ――それはもう異世界じゃないだろうと。


 他の文化の笑いを理解する、させるのは本当に難しいです。 


 例えば海外の笑いでこういうのがあります。

●イタリア人のシェフが作ったパスタをイギリス人の女性と男性が食べています。


 パスタを食べているイギリス人の女性が、

「(このパスタは)ハムがあったらイギリスのカルボナーラに近くなるよ」


 これを目の前で聞いていたイタリア人のシェフの返しが、

「もしおばあちゃんにタイヤがあったら、彼女は自転車になるだろう」

(If my mother had wheels, she would've been a bike)


 この返しにイギリス人の女性と男性は膝から崩れ落ちるぐらい笑いました。


 何が起きたか想像できますか?

 これはイギリスとイタリアの食文化の背景、言語の違いが生みだした笑いの一幕です。

 果たして日本人の何人が笑えるでしょう。


 このジョークは三つポイントがあります。

①イギリスというメシマズ大国の人間が、美食の国イタリアのシェフに料理で物申したこと

②シェフが軽蔑した表情で言った「おばあちゃん~」の際の言い回しがイタリアに存在すること(無駄なことに時間を使うな、という意)。 

③イギリスにbikeが淫乱な女性という意味がある。


 解説を見ても笑いより感心が来ませんか?


 つまり、想像できないものは笑えないのです。

 個人的にはおもしろさは、受け取り手が想像できる一歩上にあると思っています。

 裏を返せば、そもそも想像できないことは笑えないです。


 ここでいう想像とは共感です。


 漫才のボケも観客が状況に共感した上で、

「そうはならないだろ」

 ツッコミと共に笑うことができます。


 それが異世界系の現地主人公では起こすのが難しいです。

 なぜか? 日本とは文化が違うから。

 海外では日本の漫才のツッコミが暴力と言われることがあります。

 我々はそうは言いません。それがそう言うものだと知っているから。

 ただそれを知らない人から見たらそれはただの暴力なのです。

 

 どこぞのトールキンさんみたく文字の限りを尽くして、新しい世界を、言語を作るレベルまでいけばまた意見は変わるかもしれません。

 それでも『指輪物語』をInteresting(おもしろい)とは思っても、Funny(おもしろい)とはなかなか思わないのではないのでしょうか。


 異世界ファンタジーの現地主人公もののコメディは難しいです。

 その点、異世界転生は中身は日本人なので、笑いどころが日本人の読み手にも分かりやすいです。

 むしろ、主人公が感じるギャップに共感するでしょう。それを使って斜め上に走る主人公にはツッコミが入るかもしれません。いずれにせよ世界観に引き込めるのです。


 だからこそ、書き手も書くし、読み手も読む。

 その循環があって今の異世界転生の流行があるのかもしれません。


何歳になってもユーモアの心は無くさずに生きたいです!

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