みんな大好き! なーろっぱ!
外国人「異世界アニメに出てくる都市がそっくりすぎるんだが…」
みんな大好き! はちょっと大袈裟だったかもしれませんが、好きですよね?
なんちゃって中世ヨーロッパ世界とも言われる
――なーろっぱ。
ただ書き手の端くれとして言わせてください。
読み手が想像するなーろっぱに関しては、書き手ではなくアニメーション会社の管轄です。
なーろっぱを構成する要素は数多くあると思います。
ここでは都市景観に絞ってお話します。
海外の掲示板では、以下の物語の都市が一緒だという指摘がありました。
『KONOSUBA』
『TATE NO YUUSYA』
『KENJA NO MAGO』
その掲示板には親切にも画像が貼られており、私の感想も確かに一緒でした。
よく見ると微妙に変わっていますが、それも誤差の範囲です。
上記三つはまだ著書、アニメ共に見たことがないです。
素人意見ですがアニメの都市景観に関しては制作会社なのかなと思いました。
そこでアニメの制作会社を調べて見ました。
『KONOSUBA』
――スタジオディーン
『TATE NO YUUSYA』
――キネマシトラス
『KENJA NO MAGO』
――SILVER LINK.
一概にア二メの制作会社と断言することは難しそうです。
私は業界人じゃありません。一ファンです。
①下請け会社がいて、その会社が一緒
②都市描画のフリーランスのスタッフがいて、その方が一緒
③会社間で資料の共有がされている
④盗用
⑤偶然の一致
考えられるのは上記のあたりでしょうか。
ここに書き手の介入の余地あまりないです。
『こんな感じの都市でいいですか?』くらいはあるかもしれませんが。
九分九厘の確率で、作者がそれを描くことはないはずです。
だからこそ、冒頭で書き手ではなくアニメーション会社の管轄、とそう述べました。
身近な例を出すと、
「猫ってかわいいよね?」
誰かにそう聞かれたら、私は感情を込めて、
「はい!」
そう言葉を返すでしょう。
ただこの時に尋ねた人の思う猫と、私の思う猫が一緒だとは限りません。
その誰かが加えて、
「ね! アムールトラとかバーバリライオンとたまらないよね!」
――それはネコ科!
そうなることもありうるでしょう。
あの辺りはカワイイよりカッコイイ、成獣を目の前にしたらカッコイイよりコワイが勝りそうです。
書き手も同様に「あんな感じの都市」という「猫」は頭の中にあります。
しかし「どの猫」という「都市構造の詳細」はない方が多いことでしょう。
ただ、一般的な「猫」というものが好きなのです。
都市の例を出すと、おしゃれな街として評価の高いロシアのモスクワ。
フランスのパリなどオシャレな建築物があり、ヨーロッパ感に溢れる都市の観光客人気も高いです。
しかし、その都市を高く評価する観光客でも、その配置や都市の形を答えられる人はそういないと思います。
おそらく書き手は、ふわっとこんな感じで考えるはずです。
誰もモスクワやパリの都市図を引っ張り出して「ここに川があって、ここに協会があって……」なんてしません。このイメージというのはインターネット上にある写真です。
その作者のイメージを元にアニメーション会社が「ふむふむ。規模感や世界観からアムールトラかな、バーバリライオンかな」と詳細を決定するはずです。
じゃあ、もっと都市を詳細に練り込んでから書け! という方もおっしゃられるかもしれませんが、都市景観というのはレゴブロックじゃないんです。
「あっ、やば。道を塞いじゃった。じゃあ、この家をこっちに移すかー」なんてできません。
だからこそ、規則があって専門家がいて、学問として研究されています。
都市計画などで調べてみると、なんとなく分かっていただけるかもしれません。
設定が、作り込みが甘いと言われればそれまでかもしれません。
それはもう仕方がないことです。
それでもプロかよッ!
――そもそもプロじゃねぇんだよッ!
私「本当だ。異世界アニメに出てくる都市がそっくりすぎるんだが…」




