表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とあるなろう作家の気持ち  作者: 0
エッセイ的ななにか
14/95

面倒くさいものは面倒くさい! 敬語編!

このエッセイの方が長編小説の初動よりはるかに評判がよくて複雑に嬉しいです!


 書き手になって、日本語が面倒くさいと思うことがたまにあります。


 日本語は表現に豊かさがあって、情緒あふれる言語です。

 主語や述語、目的語の消滅が頻繁におこります――柔軟な文法。

 言葉の使い手と受け取り手の関係に左右される――敬語の存在。

 日本で特に進化をとげたふわふわとした効果音――オノマトペ。


 このあたりが日本の表現をより豊かなものにしているのではないでしょうか。

 その中からここでは敬語について取り上げたいと思います。


 物語に限らず、まずいったい日本人の何割が正しい敬語を使えるでしょうか。

 外国籍の方に、

「敬語が難しい」

 と言われる度に、

「大丈夫。日本人もよくわかってないから」

 こう返すようにしています。

 

 ガチガチのビジネスであれば話は変わってきます。

 ここでの敬語表現は、現代日本の一般的な日常生活における敬語を指しています。


 そうでなければ、

「閣下がお休みになる、じゃないだろ! 閣下が大殿籠らせ給ふ」

 このように話が散発的に広がってしまいます。


 話を進めますが。敬語は三つの種類があるのは日本人の多くが知るところでしょう。


 尊敬語、謙譲語、丁寧語。


 まず――敬語なんて一個にせぇよ!

 これは誰しもが思ったことがある道ではないでしょうか。


 相手を持ち上げるのが尊敬語。

 自分を卑下させるのが謙譲語。

 言葉を上品にするのが丁寧語。


 これだけでもややこしいのに、主語が一文に置いて同じ場合は、尊敬語と謙譲語は一緒に使えない。でも丁寧語は一緒に使える。

 目上や敬意を払うべき人への敬語は必要。ただし、使い過ぎはダメ(二重敬語、過剰敬語)。


 例えば「見る」。

「ご覧になられる」は、正しい敬語表現ではない、というものです。

 なぜなら「見る」の尊敬語である「ご覧になる」と、尊敬語である「られる」の二重敬語であるからです。

 正しくは、「ご覧になる」または「見られる」です。


 こういう(トラップ)カードが敬語表現にはうじゃうじゃいます。

 これを全て掻い潜るのは不可能です。

 敬語表現を使うということは、敬語の地雷原でタップダンスを踊るということです。


 しかし、人間が社会を築いているにも関わらず、誰も敬語表現を使わない世界はありません。

 かの有名な世紀末の世界ですら、モヒカンたちは世紀末覇王に敬語を使っています。


 いやいや、英語にだって敬語ないじゃん! という人もいらっしゃるでしょう。

 確かに日本の敬語に該当する言葉は英語にはありません。


 ただ英語だって相手によって言葉を変えます。

 それは敬語表現と何が違うのでしょうか。


 英語も日本語の敬語と同じで丁寧になればなるほど、文章が長くなります。

 間接疑問文がその一例です。また上級階級に行けば使う単語も異なります。

「Can I ask ~」「Would you mind if ~」

 これらは実際によく英語圏の方が頼みごとをする時に使う表現です。


 日本人殺しの「mind」を使った疑問文。

「Would you mind if~」「Mind if~」といった形でよく使われます。

 これらの疑問文は相手の申し出に賛成なら「No」、反対なら「Yes」というくせ者です。


 なんと (たまご)が おきあがり なかまに なりたそうに こちらをみている!

● Mind if I join you?」(仲間に入れてくれますか?)

 YES ◁

 NO


 この場合の「YES」は「いや、あなたが仲間とか無理」。

 「NO」が「はい、仲間になりましょう」となります。

 英語の試験だと簡単かもしれませんが、現実だと最初は間違いなくあわあわになることでしょう。


 これは日本が上とか英語が上とかを言いたいのではありません。

 どの言語であっても、その世界に上下関係がある限り、敬語もしくは敬語表現に近しい表現があって然るべきという話です。


 ここまで読んでくださった方の中には、

 ――だから何と?

 そう思う方もいらっしゃるかもしれません。


 つまるところ、敬語表現を作中で使うのは面倒くさいんですよ。

 使わないと不自然だから使う。使うからには読み手に使うキャラがブレないような言葉使いをさせなければなりません。


 物語で天才、秀才キャラとされる登場人物がトンデモ敬語を連発していたら、「天……才……?」となるか「秀才(笑)」となることでしょう。


 狙っているならまだしも、そうでなかったら事故以外の何者でもありません。

 世に溢れるコミュ障キャラだって、たいていの人は敬語は使えるんです!


 読み手の、そして他でもない書き手の世界を崩さないためにも、登場人物は敬語をある程度正しく使える必要があります。


 そこでどうやってそのある程度を担保するのという話です。

 ――それはもうお勉強です。


 ね? もう面倒くさそうでしょう?


○ Mind if you support my story?

 YES 

 NO ◁


おかげさまで筆が乗って仕方ないです……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 設定天才、設定秀才キャラの、トンデモ敬語=「天……才……?」「秀才(笑)」。同意しかありません、良いツッコミをありがとうございます。 [気になる点] ブーメラン、って言葉がありましてね………
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ