表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみの雫で潤して  作者: 餅月 響子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/54

第20話 禁断の糸 心の渦

「んで?」


 コーヒーを飲み干して、湊人は聞く。


「え、だから。

 大学でその後、あったら、

 俺、怖くなって。

 仕事上、そういうことを

 致したわけだけどさ。

 いや、リアルでは無理っしょ。

 切り替えスイッチ入れてやったわけで…。

 彼女でもないわけだし。

 お金もらってるのよ。バイト代ね。

 ちょうどそれで、

 欲しかったゲームソフト買ったけど。」


「…だからって、大学休んだら、

 単位取れなくなるっしょ。」


「…そうかもしれないけど。

 あいつと会う時、

 どんな顔すればいいんだよ。

 無理……無理。」


 顔を両手で覆った。

 湊人はケタケタと笑った。

 何だか面白くなってきた。


「何、笑ってるんだよ。

 俺にとっては深刻な問題なのに…。」


 ずずいと晃太の前に顔を近づけた。


「付き合っちゃえよ。そのまま。

 そしたら、気持ち落ち着くんじゃね?」


「え、だって、それは御法度じゃない?

 契約違反っしょ。」


「仕事やめてさ。」


「あー……そういうこと。」


「大学中退したら、やばいんだろ。

 親に怒られるって、言ってただろ。

 だから、バイト優先より、

 大学を重視しろよ。

 お前んち、金持ちなんだから。」


「ま、まぁな。

 金はすぐ出してくれるけど。

 いや、でもまぁ、そういうことじゃなくて…

 そういうことなのかも?!

 ちょっと連絡とってみるかな?」


 湊人は腕を組んで、

 促すジェスチャーをした。


 晃太はスマホを出して、

 楠本に連絡をとった。

 連絡先は会社のアプリからのDMしか

 手段はない。

 個人の連絡は禁止されている。


『こんにちは』とメッセージを打っただけで

 返事は


『次はいつにします?』


 とかなり積極的だ。

 でもこれはきっとビジネス目的。

 彼氏彼女ではない。

 ここから、親密な関係に持っていく。

 むしろ、

 康太のことをどう思っているのか。

 晃太自身も彼女を好きなのかさえ

 わからない感覚だ。

 お金で成立する関係は怖いものがある。


 でも、身近で素性がバレて、どんな人かも

 わかってしまう。

 危険が及びそうな気がした。


「なぁ、湊人。

 大学に会った時の楠本ってどんな感じ?」


 湊人は、タバコに火をつけて、

 煙を吐いた。灰皿に灰を落とす。


「え?えっと…。

 お前との関係は秘密って言われたぞ。」


「ですよねぇ。

 それ、ペラペラと話したら、

 神経疑うわ。」


「あ、あれ、ちょっと電話だ。」


 湊人はスマホのバイブに気づいて、

 電話に出る。


 名前を確認せずに慌てて

 スワイプして通話ボタンを押した。


 晃太は、スマホのメッセージは

 楠本になんと送ろうかと悩みに

 悩んでいた。


 晃太の部屋のベランダに出た。


 空には飛行機雲が伸びていた。


 明日は雨だろうか。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ