ダンジョンと赤竜
三階層に降りると見渡す限りの海だった 水平線の向こうまで島も何も見えない
「僕 ちょっと偵察してくるよ」トワが蝙蝠の姿になって飛んで行った
「なんか いるのかな?」ラテが言いながら投網を投げ入れる
ラテは投網が上手く 網は大きく広がって海面に落ちる
引っ張り上げようとするが
「シリウス兄さん 悪いけど手伝ってくれない?」ラテに言われシリウスも手伝って引っ張るが
「こりゃ 重いな 皆も手伝ってくれ」ノエルさん ハイジ達も一緒になって引っ張ると大量の獲物が網にかかっていた
棘だらけの魚 大きなムカデのような生物 右のハサミだけでかい蟹 鰐の顔したイルカ 下の方には 色とりどりの貝と様々な小魚が網にかかっていた
採れた獲物を倒していくと 黒いムカデの外殻 蟹のハサミ 鳥肉と思えるような鰐イルカの肉と皮 白身魚の身や貝の身が出た
それらを次元収納に入れ 階段入口の日陰で休んでいると ヒュッ ぺシ ヒュッ パシと音が聞こえ見てみると ハイジが貝殻を探してしゃがんでいる所に波際から大きな貝が 舌?触手?みたいなものでハイジを攻撃し それをハイジが面倒くさそうに手で払っていたが いきなりハイジが舌?を掴んで波際から貝を砂浜に叩きつけた
大きな貝は貝の身と拳ぐらいのピンクの玉を残して消えた
それらを持って来て「シリウス兄さん これ次元収納に入れといて」ハイジに言われて 次元収納に入れているとノエルさん達も同じような物を持って来た
皆で冷えた果実水を飲みながら海を見てると 黒い点がこちらに向かって近づいて来るのが見えた それは物凄い速さでやってくる 暫くするとそれが竜である事が分かった 離れた砂場に降り立つと竜は赤髪の中年男性に変身した
全員で臨戦態勢を取っていると 男の背中からトワが飛び降り
「シリウス兄さん この人は敵意は無いよ」トワが叫ぶ
「誰だ?」シリウスが言うと
「我は始まりの竜の一柱 赤竜である」
「赤竜?」シリウスが訝し気に言うと
「さよう お主達が知っている黒竜と同じ始まりの竜だ」
「何故 始まりの赤竜がこんな所にいるんだ?」シリウスが問うと
「昔 戯れでワイバーンと交わって下級赤竜を生み出してしまってな 他の始まりの竜から責められて ここで反省していたんだ 珍しい気配を感じてここに来る途中で その子が海に落ちていくのが見えたんで助けてきたんじゃ」赤竜が言うと
「飛んでるうちに意識が遠のいて変身も解けて海に落ちるところを助けてもらったんだよ」トワの言葉に警戒を完全に解くシリウス達
「このダンジョンはここが最下層なのか?」シリウスが聞くと
「いや もう一階層ある」赤竜が水平線を見ながら言う
「だが 行ってもダンジョン核があるだけじゃ もしダンジョン核を壊すつもりなら 止めてくれないか?」
「いや 壊すつもりはない」シリウスが言うと
「おお そうか」赤竜が少し嬉し気に話す
「長い間 ダンジョン核と共にいたから会話が出来るようになってな あいつが居なくなると少し寂しいんじゃ」
「じゃあ ダンジョン核は赤竜が守ってるようなものか?」シリウスが言うと
「まあ そんなもんじゃな ダンジョン核を破壊しようとしないなら我から手は出さん」
「多分これから冒険者がやって来るようになるが ダンジョン核に手を出さない限り赤竜は動かないという事でいいか?」シリウスの問いに
「うむ そうじゃな」赤竜が笑いながら答える
「分かった 話は通しておこう ちなみに階層を降りる階段はどこにあるんだ?」
「人の船で五日ぐらいかな まあ途中で海の魔物に襲われるから到底無理な話じゃ そう言えば坊主の話によると 一階層の魔鉱石は見ておらんようじゃの」
「魔鉱石?」
「うむ お主らが降りて来た階段を左に行けばあるぞ さて久しぶりに人型になったら少し疲れたな そろそろさらばじゃ」
そう言うと竜の姿になり水平線の向こうに飛んでいった
シリウス達は一階層まで戻り階段入口辺りを調べると 人が二人並んで進める大きさの通路を見つけた
少し進むと開けた場所に出たが ギギッ ドスっと音を立てながらゴーレムが湧いてシリウス達の行くてを阻む
一体がハイジに腕を振り下ろすとハイジもパンチを繰り出して拳をゴーレムの腕に叩き込む ガラガラと音を立ててゴーレムの腕が崩れていく だが崩れて地面に落ちた欠片が集まり再び腕の形に戻る
「やっぱり コアを割らないとダメね」言いながらチェルシーがジャンプしてゴーレムの胸で鈍く光る赤いコアに剣を立て破壊する
倒れたゴーレムを見ると魔鉱石でできていた
壁をナイフで削っていたラテが
「シリウス兄さん 壁は魔鉱石のようです」 削った欠片を見せながら言ってくる




