ワイバーン討伐依頼
屋敷の玄関ホールを抜けリビングに入ると 何人かがソファで寛ぎ お茶を楽しんでいた
その中に見知った顔を見つけ 鮮やかなカテーシーをしながら
「お久しぶりです レベッカ様」挨拶すると
「お久しぶりですね エメット様 私は国を追われ 今はただのレベッカなのでそのような言葉使いは無用ですよ」
優しく返すレベッカ
「エメット 今日はどうしたの? 来てくれて嬉しいけど」メリルが問うと
「シリウス様を訪ねて旅団本部に行ったら こちらに来ていると聞いて メリルにも会いたかったし」
「そうなの こちらがシリウス団団長のシリウス兄さんよ となりが副団長で勇者のノエル姉さん」シリウスとノエルの方に手を向けて紹介するメリル
「「初めまして よろしく」」
二人がそう言うと
「シリウス様 私と結婚して下さい」突然言うエメット
隣りのノエルの黒いオj-ラを感じたシリウスは
「今日初めて会いましたよね 理由を聞いても?」と問うと
「領内でワイバーンが住み着いて 家畜だけではなく 領民まで襲い始めたのです 冒険者に依頼を出しましたが依頼を受けた冒険者パーティー二組共に失敗しまして
冒険者ギルドに相談したらシリウス旅団ぐらいしか達成出来ないかもと言われ マルラス王国の大使館に行き依頼したのですが 報酬が金貨3万枚と言われ 頑張って用意しようとしたのですが どうしても足らず 今年は作物の収穫も悪くて 領民からの税も引き下げてる状態でしたので・・・ そこでシリウス様のお嫁さんになれば助けて頂けるかと考えまして」訥々と話すエメット
「そうか メリルとアンナに酷い事をした国だから吹っ掛けた料金設定をしてたからね 悪い事をしたね 僕には婚約者がいるから結婚は出来ないけど メリルの親友が困っているなら力になるよ」そう言うシリウスの隣で黒いオーラを消すノエル
「ありがとうございます!!」感激のあまりシリウスの手を握るエメット
また隣から黒いオーラを出すノエル
「今日 明日はゆっくりして 明後日に出発にしようか?」シリウスの言葉に
「分かりました」嬉しそうにエメットが答える
「さてエメット 旅の疲れを取りにいくわよ」
シリウスとノエルが帰った後エメットの手を取り立たせて 微笑むメリル
「え? 行くって何処に?」不思議そうに聞くエメット
「まあ 着いてらっしゃい ほらアンナも行くわよ」
玄関を出るとエメットを護衛してきた領兵達が待っていた
「エメット様 会談は無事済みましたでしょうか? 宿の手配も終わっておりますので お送りいたします」背の高い騎士が片膝を付いて言うのを
「未だ 細かい打合せがありますのでエメット様はシリウス旅団の宿舎で休んで頂きます」メリルが割って入る
意味が分からず黙っているエメットとアンナを連れて 街の風呂場に着き
「先ずはお風呂に入って疲れを取りましょう!!」メリルに言われ
「お お風呂?」周りを見渡しても着替えを手伝うメイドも髪や体の手入れをしてくれるメイドもいない お風呂?そう思いながらもメリルに手を引かれて扉の中に入ると見た事も無い大きさの湯舟があり 湯気がモワモワと漂っていた
掛け湯をして湯舟に入る三人 「「「フーッ!!」」」三人の口から思わず漏れる声
「気持ちいいでしょう このお湯には森の魔女さん達が配合した回復効果のあるハーブが入ってるの」ちょっと自慢げに言うメリル
「素晴らしいわ」目を細めて答えるエメット
風呂を堪能した三人は
「疲れた体に栄養を与えるわよ」そう言うメリルの先導でコルテの店に入る
「こんばんはーコルテさん」メリルが声をかけると
「おう メリルちゃんにアンナちゃんか こんばんわ」コルテが言いながら後ろにいるエメットを見て「お友達かい?」微笑むと
「そうなの 彼女エメットって名前なの マルラス王国から来てくれたの」
「そうかい じゃあお任せでいいかい?」
「お願いします!!」
元とは言え王女と飯屋の主人が親し気に話してるのをエメットは不思議そうに見ていた
「三人共 お風呂帰りね はいどうぞ」給仕係のニーナさんが冷えた果実水を配ってくれる
「「「ありがとうございます!!」」」そう言ってゴクゴクと果実水を飲む
「美味しいわー」エメットが感激しおかわりを頼む
「ふふ メリルちゃんの所の果物が美味しいから 店でも評判なのよ」
エメットのグラスに果実水をピッチャーから注ぎ ピッチャーをテーブルにおくニーナ
「はい お待たせ」コルテが焼いた肉をのせた皿や籠に入ったパン サラダ スープをテーブル一杯に並べていく
「「「御馳走様でした~」」」三人共にお腹一杯食べて店を出ると
「さあ 最終段階よ!!」先を歩くメリルの羽織るシリウス旅団のマントを羨ましく見るエメット
シリウス旅団本部に着くと慣れた様子で二階に上がって行く
奥の部屋のドアをノックし
「こんばんわー母ちゃん 今日は友達も一緒に潜っていいかな?」話すメリル
部屋の中は薄暗く 目が慣れて初めて部屋の中の三頭のフェンリルに気付き
「ヒュ」声を上げそうになるエメット
その中の一頭が「ああ 構わんぞ お前達も久し振りに潜るがいい」
「「ありがとう 母ちゃん!!」」言って服を脱ぎ始めるメリルとアンナ
「エメットも服を脱いで マナーだから」脱いだ服を畳んで椅子の上に置きながら言うメリル
「あ うん」エメットも服を畳み椅子の上に置く
「「ワーイ!!」」声を出して尻尾に飛び込むメリルとアンナ
エメットも恐る恐る近づきゆっくりと尻尾に潜り込んでいく
「ファー 何て素晴らしいのかしら!!」エメットが思わず言うと
「そうだろ そうだろ」前にいるフェンリルの尻尾から顔を出して言うのは勇者ノエルさんだった




