春のパレード
春の初め 千人の黒いマントを着た集団がマルラス王国の門前に並んでいた
「我々は聖王国よりメリル様とアリア様をお迎えに来たシリウス旅団だ 通して頂きたい」先頭の男が声を上げる
迎えが来る事を聞いていたのか 門番も何も言わず 彼等を通す
王都の中心街を行くシリウス旅団を見て人々が道を開ける
そんな中 一人の男が立ちはだかり
「おうおう お前等 ギャリック傭兵団に挨拶も無く通りを歩こうなんざ なんの真似だ!!」喚きながら行進を阻もうとするが 先頭の団員によって殴られ露店に頭から突っ込んでいく
メリルの屋敷に 着くと再度先頭の男が
「メリル様 アリア様 お迎えに上がりました シリウス旅団でございます」大声で言うと 玄関から二人が出てきた 続いてマルラス国王 第一王子 第二王子が出て来る
「お初にお目にかかります シリウス旅団第一分隊長ジークと申します」
胸からマルラス国王宛のクロノス王の親書を取り出し国王に手渡す それを読んで
「厄介をかけるが 宜しく頼む」そういうと二人の兄が
「元気に過ごすんだよ 何かあったら直ぐ帰って来なさい」別れを惜しむ
「「はい お父様 お兄様」」メリルとアリアが三人と抱き合う
こちらを向いたメリルとアリアにそっと団員が近づき 二人にフェンリルの刺繍が施された旅団のマントを羽織らせる
「これで お二人はシリウス旅団の一員です 可愛い妹は我々団員が命懸けで守りますのでご安心下さい」ジークが言うと千人の団員から大きな歓声が上がる
用意された馬車にメリルとアリア それにロッテとアンが乗り込み それを囲むように団員達が整列する
屋敷を出て中央通りを進むと
「汚い取り替え子は出て行け!」「これで この国もまともになる!」等と沿道の人々から罵声が飛ぶ メリルとアリアは馬車の中で手を取り合って震えていた
「黙らせろ」ジークが言うと 魔法士達が上空に巨大な火球を作る
「我等はこの街を破壊する事など 造作も無い事だ その汚い言葉を止めろ」
上空の火球をみて人々は黙り込むが 後に50人ぐらい従えた男が行進を邪魔するように前に出て喚く
「さっきは よくも恥をかかせてくれたな ギャリック傭兵団を舐めたらどうなるか教えてやるぜ」
「退くか死ぬか選べ」ジークが冷たく言うと
「うるせい!!」男が一歩前に出た瞬間 男の足元から火柱が上がり男を包み込む 暫くすると男がいた場所には黒い灰だけが残った
「お前等はどうするんだ?」ジークが言うと
「「ヒッ 助けてくれー」」散りじりに逃げ始め 沿道の者達も固唾をのんで見ている
「お前等に教えておいてやる メリルとアリアはシリウス旅団の一員となった メリルとアリアに喧嘩を売るということはシリウス旅団に喧嘩を売るという事だ 覚えておけ!!」ジークが言うと団員からまた歓声が上がる
二週間の旅を終えて聖王国に到着し 王都に入ると 物凄い歓声が聞こえてくる
「また 汚い取り替え子は帰れとかいわれるのでしょうか?お姉様」アリアがメリルの手を握りしめながらメリルに問うが
「アリア 歓声を良く聞いて」言われてアリアは声を聞いた
「聖王国にようこそ!!」「長旅お疲れ様でしたー」「国民一同 お二人を歓迎します」
声を聞いていると馬車の窓が叩かれ 驚いてロッテが窓を開けると団員に肩車された人間の女の子と黒猫獣人の女の子が花束を持って笑っていた
「「ようこそ お姫様」」そう言ってメリルとアリアに花束を渡す
二人は花束を受け取り 外を見ると紙吹雪や花が建物から降り注がれ 沿道には沢山の種族が二人に笑顔で歓声を上げている
その光景を呆然と見ているうちに 王宮に着いた
クロノス王に謁見の為 向かうと広間にはシリウス ノエル あと知らない女性三人がいた
「大使着任のご挨拶に伺いました」メリルが言うと
「遠いところ お疲れ様 ちょっと離れているけど大使館とメリルさんは果樹園と牧畜をしていると聞いたから小さいけど農園と牧場も併設してるよ」
「お心使い感謝いたします」メリルが頭を下げる
[初めて会うと思うけど こちらは三聖女パーティーのみんなだ]クロノス王が言うと
「「「こんにちわ 聖王国にようこそ」」」シャルロット リリエル マオが頭を下げ挨拶する
「「まあ!! あの有名な三聖女パーティーの皆さんですか」」メリルが驚いて言う
[じゃあ 案内するよ]
クロノス王が先頭に立ち その後ろに三聖女 シリウス ノエルが続き ノエルに言われて メリルとアリアが追いかける
門を出るとメリルとアリアが乗って来た馬車の他に二台の馬車があり 先頭の馬車にクロノスとマリアートが乗り込み次の馬車にシリウスとノエル 三聖女パーティーが乗り 最後の馬車にメリルとアリア ロッテとアンが乗る
通りは未だ人で溢れ 馬車が動き出すとまた歓声が上がる
「クロノス王 万斉」「マリアート様 万斉」「三聖女パーティー 万歳」「シリウス旅団 万歳」「大使様 万歳」人々の声の中 馬車は通りの外れ付近に差し掛かると
一際大きな建物があり メリルが御者をしているシリウス旅団の団員に「あの大きな建物は何ですの?」問いかけると
「ああ あれはシリウス旅団の本部です」ちょっと自慢気に教える
建物の前に三人の女の子が出て来て 馬車に走って来る
「こんにちは 私はチェインズのハイジよ 宜しくね!!」走ってる馬車のドアを開け中に入りメリルとアリアの手を取り挨拶をし 二人の間に座りニコニコと二人の顔を見る




