エイミー
言葉も覚え「女子会」だけで無く 近所の子供達とも遊ぶようになったエイミーだが
ある日 夕食の時間になってもエイミーが家に帰って来なかった
手分けして探すも見つからず どうするか相談している時にドアをノックする者がいた
ドアを開けるとエイミーを抱いた服装からして魔女の森の女性が立っていた
「今晩は 私は魔女の森のマミーと言います この子が森の中で泣いていたので保護したのですが 泣き疲れて眠ってしまい 何処の子か分からず ルイーズさんから 最近 シリウスさんの所に来た少女と特徴が似ていると聞いて 心配されてるだろうと思い遅くなりましたが連れてまいりました」
「ありがとうございます」そう言ってエイミーを受け取りベッドに運ぶ
「どんな状況だったんですか?」マミーさんに聞くと
「何かを探すように「ガガ ガガ」と叫んで森の中を彷徨っていました 私は人の感情が分かるのですが 彼女は深く絶望的な悲しみの中にいました」哀しそうにマミーさんが言うと
「何かのきっかけでガガの事を思い出して 自分でも気付かない感情が爆発したのだろうな」母ちゃんが人の姿になり「添寝をしてくる」言ってエイミーの部屋へ行った
[多分 エイミーちゃんは 自分の感情や考えを口に出して人に伝える事に慣れずに苦労してるんだと思います 私も同じだったから分かるんです]
上手くやってると思っていたが エイミーの中では相当ストレスが溜まっていたのだろう
一晩経って目を覚ましたエイミーは何か言いたそうに俺を見ている
泊まってもらったマミーさんがエイミーを抱きながら額を着けて耳元で囁いている
「心配かけて 御免なさい」小さい声でエイミーがポツリと言う
「いいんだよ エイミーが無事で良かった」俺が言うと
エイミーが顔をパッと輝かせマミーさんを見る マミーさんはニコニコとエイミーを見ている
「どの感情の時に どの言葉を言えば良いのか分からなくて悩んでいたみたいですね エイミーちゃん 暇な時は お姉さんの所においで お姉さんと一緒に感情を言葉にする勉強をしましょう」 エイミーは目をキラキラさせ大きく頷いた
魔女の森に通い マミーさんと交流するうちにエイミーは感情豊かになり 魔法薬や調合にも興味を持ち始めた
ある日 森の魔女に移住してもっと勉強したいとエイミーが言い出した
まだ小さいからと俺が反対すると
「やりたい事が見つかったなら良いのではないか」と母ちゃん
「ありがとう 母ちゃん大好き シリウス兄ちゃん嫌い」
感情豊かになったのは嬉しいが ちょっと凹む
前にマリアート様にお会いした時
「珍しいのう この娘には 生みの親と一つ目の巨人の二人が見守っておる 余程の事が無い限り この娘は無事に生きていくじゃろう」と言って頂いた
ルイーズさんの所に行き 「ご迷惑をかけるかもしれませんが宜しくお願い致します」頭を下げる
「エイミーちゃんは見どころがあるから こちらこそよろしくね 大切に預かるわ」
魔女の森に移住して何年か経つと魔女の森のエースと呼ばれる程に腕を上げたらしい
エイミーの作った身体強化薬は魔法の身体強化と同じ効果を持ち 聴覚 視覚 嗅覚を何十倍にも上げる感覚強化薬は索敵や気配探知におおいに役立った ただこれらは未来の自分の力を借りるらしく 使用した後倦怠感があるがここぞという時に非常に有効だった為 冒険者から高い評価を受けた
エイミーの作った農薬や害獣避けの薬も農家の皆さんに絶賛賛された
その後 薬品を卸す商会の青年と恋に落ち結婚し 子供にも恵まれ 商会の手伝いと魔女の森の研究で忙しい日々を送っていた 幸せな人生だったのだろう
エイミーが生涯を終える時 最後に呼んだのは愛する子供や伴侶ではなく ましてや俺や母ちゃん マミーさんの名ではなく
「ガガ」と微笑みながら言って天に召された




