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エイミー②


 エイミーの件から半年程経ったある日 ゾフィが家に走り込んできて

「英雄様!! 一つ目の巨人が死んだ!!」ハアハアと息をしながら俺に告げる

「何だって!! どうして!!」俺も慌てて聞き返すと

「岩熊に襲われて死んだみたい エイミーは無事」ゾフィの返事に

「そうなったか」母ちゃんが言う

「とにかく 行ってみよう」

俺と母ちゃんでタラジの家に行くとタラジ一家とやつれたエイミーがいた

タラジに話しを聞くと「二日程夕食に来なかったので心配になって見に行ったらエイミーを庇うように俯せで死んでいたので エイミーを助け出し一つ目の巨人は火葬にしました 火葬の時から「ガガ ガガ」 と雄叫びのように泣いて今じゃ食事も取らずに この状態です」

「エイミー」俺が声を掛けると

「ガガ ガガ…」目の焦点も合わずに呟いている

「もしかして 馬車を襲ったのも岩熊か?」母ちゃんがタラジに聞くと

「馬車の傷跡から見て 多分岩熊の仕業だと思います」と答える

「そうか 木の高い位置に岩熊の爪痕があったから もしやと思っていたが」前に言ってた母ちゃんの不吉な言葉はこの事だったのか

「そんなのが居たら 村も安心出来ないな 討伐してくる」俺はエイミーに微笑み 立ち上がり森に向かう

弱肉強食なのは分かっている 強いモノが生き残るのも頭では理解している だが二度も母親と慕っている者を目の前で殺されたら… エイミーの事を考えると胸が痛い 岩熊を倒したからといってエイミーの心の傷が治る訳では無いというのも知っている だが俺の心が落ち着かない 所詮俺は俺の心を落ち着かせる為に討伐するのだ

森を半日程探し回り岩熊を見つけた 自分よりデカい猪を食っている

「あ奴は自分の力を示す為 自分より大きい物を襲う習性がある」母ちゃんの言葉だ

剣を抜き正面から近づくと威嚇するように立ち上がり俺を睨みつける

目の前に走り込みジャンプして岩熊の右肩に斬り込む さすが岩の名がつく通り 硬い だが切り落とせない事もない 力任せに剣を沈めると右肩が切り離された

「グゴガゴゴー!!」叫びながら左手で俺を払い退けようとするが 後ろに飛び避ける 自分より小さい奴に こんな目に遭わせられるとは思ってもいなかったのだろう

怒り狂ったように左腕を振り回し 俺をとらえようとするが ヒラヒラと避けて死角に潜り込み 後ろから首に一撃を入れる 首の半分程で剣は止まるがシャアーと音を立てて血が噴き出し前のめりに岩熊は崩れ落ちた

森を出て いつの間にか降った雨でぬかるんだ道をタラジの家に向かう

タラジの家に入ると部屋の中央にフェンリルとその尻尾の中で眠るエイミー

反対側に身を寄せ合うタラジ一家

そりゃ いきなりデカいフェンリルとか出てきたら怖いよな すまないタラジ

母ちゃんの尻尾に包まって眠るエイミーに「仇は取ったぞ」頭を撫でながら言うと

「この子は王国に連れて帰るぞ」母ちゃんが念話で言って来た

「タラジ 聖王国は身寄りの無い子供達が肩を寄せ合い生きている エイミーも連れて行こうと思うが どうだろう?」俺が問うと

「そうですね ここじゃ肩身も狭いだろうし そうした方がエイミーにもいいでしょう」フェンリル姿の母ちゃんから目を離さず言う

眠っているエイミーを抱えて人の姿になった母ちゃんと国に戻る

目を覚ましたエイミーを母ちゃんが風呂に連れて行き コルテの店で飯を食う

「美味しいかい?」母ちゃんが聞くと 微笑んで「ガガ ほいひーよ」言って 一つ目の巨人がもう居ないことを思い出し「ガガ ガガ」ポロポロと涙を流し始める

落ち着かせて 母ちゃんに潜り込んで眠るエイミー 時々うなされるがその度母ちゃんが尻尾で優しく顔を撫でるとまたスヤスヤと寝息をたてて眠り込む


翌朝 ハイジ達がやって来て母ちゃんに包まって眠るエイミーを見て「誰?この子」と俺に聞く 事情を話すとハイジが「じゃあ あたし達の妹分って訳ね」

末っ子ポジションだったハイジ クラリスは新しい末っ子に歓喜している

騒ぎで目を覚ましたエイミーはポカンとハイジ クラリス チェルシー ラテ トワを見ていた

「事情が事情なだけに あまり 会話が出来ないんだ」エイミーを撫でながら言うと

「じゃあ お姉ちゃん達と一杯お話ししましょ」早くもお姉ちゃんぶるハイジを見てクラリスも吹き出してしまう

「まず 大事な事を教えるわ いい? 母ちゃんと寝る時は裸が基本よ それは父ちゃんでもシリウス兄ちゃんでも同じよ」

「つまらぬ事を教えるでない」母ちゃんが呆れて言うと

「これは あたし達家族にとっては大事な事よ その子も家族なんでしょ?」

「うむ まあ そうだが」母ちゃんは頷くしかなかった

それから 「女子会」と称して母ちゃん ノエルさん エイミー ハイジ クラリスでお茶会をするようになり そのお蔭かエイミーも大分喋れるようになった

「女子会に男は不用」と俺 t父ちゃん ラテ トワは追い出され コルテの店で肉をひたすら食う「男子会」を催していた






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