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一つ目の巨人


 樹海の店からゾフィを通して依頼があった 樹海から西に行った村で一つ目の巨人が悪さをしているらしいので助けて欲しいとの事だ  今回は様子見なので俺と母ちゃんだけで樹海の商店に行く

相談主は明日来るそうなので 樹海の商店の品を見てると 見慣れない果物や宝飾品を見つけたので ゾラに聞いてみる 「果物は相談を受けた西の村から宝飾品は東の村から買って 品質の良いものは聖王国に売っています 利益は村長に一旦預けて後日村の為に使います お陰様で 村も大分豊かになりました 魔女さん達の薬で 昔のように子供がバタバタと倒れる事もなくなりましたし 畑の収穫量も多くなりました 近隣の村にも 商人にも感謝されてます」

ちょっと肉付きの良くなったゾラが笑いながら答える

樹海を救った恩人として その夜も盛大にもてなされ 人の姿になっている超美人な母ちゃんをチラ見しながら 樹海の村が豊かになったと村長に何度も礼を言われ 酒を勧められた


ちょっと二日酔い気味に目を覚まし 母ちゃんと樹海の商店に向かう

昼を過ぎた頃に西の村からの迎えの人が馬車でやって来た

「私はタラジと言います 本日は願いを聞いて下さりありがとうございます」

人の姿になっている母ちゃんと俺を乗せて西の村へと向かう

途中 赤狼が襲撃してきたが 軽く撃退したら馬車を操るタラジがビックリして「さすがは樹海の英雄様ですね」などと言うので母ちゃんがクスクスと笑う

「悪さと言うのは 具体的にはどういう事なんですか?」照れ隠しに聞くと

「昔からいる一つ目の巨人なんですが 今までは悪さをするどころか 良い関係だったんです それがここ最近 夕飯時に人家に押し入りその家の夕飯を強奪していくんです 人を傷つける事も無く ただ晩飯だけを奪っていくんです」

「人 を襲ったり 畑を荒らしたりはしないんですか?」

「昔から そんな事はした事がありません だから不思議なんです それで英雄様に調べて頂けないかと思いまして 無害とは言っても我々だけでは怖くて」

「森の獣が減ったり 木の実が不作とか?」俺が聞くと

「そう思って私達も調べたのですが 獣も木の実も例年通りでした」

「うーん 餌が採れないからじゃないのか」俺が腕を組みながら呟くと

「なーに それを調べる為に行くんじゃろ」母ちゃんが景色を見ながら言う


夕暮れ前には村に着いた 丁度晩飯の支度が始まる頃合いだ

タラジの家で休憩し 一つ目の巨人が来るのを待っていると外から叫び声が聞こえてきた

「来たのか?」俺が立ち上がると

「まあ 今日は跡をつけて行って様子を見よう」母ちゃんも立ち上がりながら言う


五軒先の家から 手に鍋を持った巨人が出て来て 森の方へ向かうのが見えた

距離を取りながら母ちゃんと後をつけると 巨人は森の中にある洞窟に入って行った

俺と母ちゃんは気配を消し足音も立てずに奥へと進んだ 洞窟の奥には三歳ぐらいの女の子がいて その横には積み上げられ鍋が見えた そして巨人は右の手のひらに煮込んだスープを掬い女の子に与えている大きい具材は左手の指で細かく砕き食べやすいようにして与えている やがて食べ終えると巨人の胸の中で女の子は眠り始めた

「どういう事だ これは?」母ちゃんに聞くと

「まあ 待て 少し巨人の過去を見てみよう」母ちゃんが巨人をジッと見つめる


暫くして 「シリウス 帰るぞ」いきなり言って帰り始めた

「これは 村の者にも聞かせておく必要がある」そう言うと後は黙ったままだ


タラジに村の者を集めさせ 母ちゃんが中央に置かれた台に立ち

「今から 一つ目の巨人の話をする 我は魔物と念話で話す事が出来る それで分かった事を皆と共有しようと思う」

誰かがゴクリと唾を飲む音が聞こえる

「先ず 最初に聞くがここ半年の間で事故か何かで亡くなった者はいないか?」

母ちゃんが言うとタラジが手を上げて「それなら スパイク一家が街道で魔物に襲われ命を落としました」

「亡骸は人数分あったのか?」母ちゃんがタラジに問うと

「そう言えば 娘のエイミーだけ亡骸が無かったような」タラジが答える

「そうか あの娘はエイミーという名なのか」

 


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