悪食の迷宮とスパイス
コルテが旅商人から「悪食の迷宮」という珍しいスパイスが宝箱から出るという噂を聞き 潜ってみたいのでjr達に護衛の依頼をしたいと話してきた
元冒険者と言っても やはり慎重になるようだ
「そうだ!! どうせならパーティー再結成して お前が一緒に行かないか?」俺の肩を強く揺すりながら迫ってくる
「ま 待て!! 落ち着け!!」脳がグワングワン揺れて言葉が出ない
「それはニーナの許可を取ってるのか?」聞くと
「もちろん あいつも一緒に行く予定だ」
「そ そうなのか」 俺が一息ついて返事をすると
「そうだ ノエルさんも一緒に行こうぜ!!」名案だとばかりにコルテが叫ぶ
「分かった 分かった 夜にでもノエルさんに聞いてみるよ」コルテを押しのけて言うと
「よろしくな!!」そう言うと鼻歌混じりにコルテは帰っていった
その夜 ノエルさんに相談すると
「おもしろそうだな もちろん一緒に行くぞ」あっさり了承
そういう事で 久しぶりのこのメンバーでの冒険に旅立った
道中 これと言ったアクシデントも無く予定の日程で目的地に着いた
ただ 野営中に初めて俺のフェンリル姿を見てコルテとニーナがビックリして
マッパで俺の尻尾に飛び込むノエルさんを見て口をポカンと開けていた
「俺に怯えて魔物も獣も寄って来ないから見張りはいらないよ」と誤魔化すしかなかった
鬱蒼とした森の中に迷宮の入口があり 両側は木の根が絡み合ってトンネルのような形になっている
少し進むと明るい草原に出た 向こうの方には森も見える
向こうの方に見えていたはずの森がだんだん近づいて来る
「トレントだ!!」俺が叫ぶと
「数も多いし 焼き払ってしまおう」コルテが言うが
「いや 延焼してしまうから 火炎攻撃は止めておこう 面倒だが一体づつ倒していこう」俺が言うと
「チッ 面倒だな」仕方ないと顔をしながら 剣を抜いてコルテが走り出す
さすがは元冒険者だ適格に倒していく 俺もノエルさんも負けじと倒していく
ニーナは万が一の為 後方で待機していた
全員怪我一つなく倒し切り 本物の森の中に分け入っていく
トレントが落としたアイテムはどこにでもあるスパイスだったが取り合えず拾っとく
茂みの中で宝箱を見つけ 開けてみると茶色い小瓶が入っていた
周りには見た事も無いキノコが生えている それらも収穫しておく
森の中を捜索していると 人参みたいな植物が密生している場所を見つけた
「マンドラゴだ」コルテ葉先を触って言う
「採取したいけど 叫び声で他の冒険者に迷惑をかけるな」
マンドラゴは抜いた時に叫び声を上げる それはかなり離れた所まで響き精神や体調に負荷をかける
それならと マンドラゴ本体に防音の魔法をかけて引き抜いてみる バタバタと暴れているが防音の魔法を掛けているので叫び声は外には漏れない その内暴れるのを止めて グッタリとなった
この方法でマンドラゴを採取していき ほぼ取りつくした所で再度森深くに分け入っていく
見た事の無い果物や草花も摘んで 宝箱も幾つが見つけ中の物を貰っていく
大分進んだところで洞窟を見つけコルテを先頭に入って行く
中はひんやりとして 奥の方に誰かが座っている
「ドライヤドだ」コルテが剣を向けながら近づくと ドライヤドは微笑みながら
「ああ 敵意はありませんよ よくぞここまで辿り着きましたね 森を焼く事も無くトレントを倒し 他の者に迷惑をかけずにマンドラゴを採取したのは見事でした ここにある宝箱を持って行きなさい」ドライヤドの前に三つの箱が置いてある
それぞれに瓶に入ったスパイスと種が入っていた
「ありがとうございます」コルテが礼を言うと
「そなたには 新しい食文化を広めてもらいたい 頼みましたよ」そう言ってドライヤドは消えてしまった
俺達は転移魔法で国に帰ると コルテは早速スパイスの研究に取り掛かり 裏の空き地を耕し種を植え始めた
俺は大量の」マンドラゴとキノコと花 コルテに分けてもらったスパイスを持って森の魔女さん達の所に行き スパイスの正体を聞いてみたが 研究しないと分からないと言われた
大量のマンドラゴにを手渡すと 色々と使えるが手に入れるのは難しかったようで
早速 あれやこれやと話し込んでいる
「黒竜の鱗にマンドラゴ これだけあれば秘薬が作れる」
魔女さん達は大喜び
暫くして試作品が出来たとコルテから連絡がありノエルさんと行くと
肉料理と魚料理とサラダが用意されていた
肉料理は肉と玉葱をみじん切りにして捏ねた物だった 肉の臭みも無く塩を振って食べるだけで本来の旨みを失わず食べた後に爽やかな風味が口の中に広がる
ソースをかけると一段と美味い
魚料理は淡泊な味わいに深みが出ていていくらでも食えそうだ
料理には採取したキノコも添えられていた これも美味い
まだ試作だから これからもっと改良を加えて至高の料理にするとの事
早速 レシピを教えてもらおうと考えながら帰路に就く




