パーティー
Bランクダンジョンを数か所周り 俺達はĀランクへ昇格したらしい
ーと言うのもハイジがギルドに行って 申請したら既にそのの資格はあったらしくギルドカードを見せたら簡単に通ったそうだ カードには踏破したダンジョンのコアの魔力が記録されるらしく
俺 ハイジ クラリスの3人はĀランクになったので Āランクダンジョンに行けるようになった
宿屋でギルドから貰った大陸のダンジョン地図を見ながら 次の 目的地を考えていると ドアをノックする音がして「どうぞ」俺が言うとハイジとクラリスが「遅くにごめんなさい」言いつつ入ってきた
「どうかしたのか?」
「うん 二人に黙ってた事があって それを話に来たの」ハイジが俯いたまま話す
「あのね…… 私達二人共取替え子なの」クラリスが暗い表情で言う
「それが どうかしたのか? 何か二人にとって重要な事なのか?」
二人は顔を上げ俺を見る ちなみにノエルと母ちゃんは風呂に行ってていない
「シリウスさん 気持ち悪くないんですか?」クラリスが困惑した顔で聞いてくる
「だから 何が?」訝し気に聞くと
「取替え子は 昔から忌み子扱いされてるんですよ」
「だからと言って お前達が俺達に何か迷惑かけてるのか? それに俺だって親の顔も知らない得体の知れない男だぞ」
「……」
沈黙を破るようにノエルと母ちゃんが風呂から帰ってきた
「どうしたんじゃ 三人で辛気臭い顔して」母ちゃんが髪を拭きながら聞く
「いや ハイジとクラリスが取替え子だって それを黙ってた事を謝ってるんだけど 何が悪いのか俺には分からなくてな」
「そうか そうか 二人は取替え子なのか 取替え子は妖精がいたずらに取替える事もあるし 稀に精霊王が役目を持たせて取り換える事もある いたずらで取り換えられた子は気性が激しく粗暴なものが多いと聞くが 二人を見るに そんな所も無いし 何か目的が精霊王にはあったのかもしれんな」
「まあ 何にせよ なにも問題はないよ」二人に笑いながら言う
「うう……」クラリスが泣き始める
「どうした?クラリス 何かあったか?」
「だって わたしは取替え子で気持ち悪い 災いを招くと言われて村を追い出されたのに 取替え子と分かっても優しくしてもらえるなんて 嬉しくて」
「まあ ハイジはハイジ クラリスはクラリス 俺達の中では それだけだ」
母ちゃんが頷き ノエルは寝ている シリアスな場面なんだから せめて起きてろ!!
「でね ここからが本題なんだけど わたし達もシリウス旅団に入れて欲しいの
お願い」
ハイジが頭を下げる 横でクラリスも頭を下げる
「いいよ ってか 今までと変わらないじゃん」最古参メンバーは寝てるし 俺の独断でいいよな?
「「ありがとうございます 宜しくお願い致します」」
「こちらこそ 改めてよろしくね」
まあ 試しにĀランクダンジョンに潜ってみるかという話になり 元ジョイ王国にあるĀランクダンジョンに挑戦する事になった
ノエルにはハイジとクラリスのパーティー参加について説明してある
元ジョイ王国のギルドで細かい情報を入手して対策を練るが 出てくるのが四階のサイクロプスという事だけしか分からない
Āランクダンジョンになると宝箱とかも出るらしい 今までは踏破するだけで報奨金が出ていたが これからは宝箱の中身も
自分達の物になるそうだ それは売ってもいいし 自分達で使ってもいいらしい
ダンジョンに入ると 先ずはゴブリンに遭遇した 前衛の二人 ノエルとハイジが鼻歌交じりで殲滅していく
俺とクラリスは後方で支援魔法と回復魔法を二人に掛けているだけだ 何の危険も無く地下二階への階段を見つけ降りて行く
二階はオークの出現する階だったが 前衛二人のおかげで何の問題も無く突破し 三階ではオーガの群に囲まれるがクラリスが一言
「大地の剣」と言っただけで地面から棘がとび出し全てのオーガが息絶えた こんな簡単でいいのか?
四階はサイクロプスだったが 母ちゃんが出てきたサイクロプスの喉笛を嚙み切って全てを倒した 初めて宝箱が落ちた
中を確認すると「勇者のマント」だったのでノエルに渡す
「勇者のマント」を身に着けたノエルは嬉しそうに皆の前でクルクル回っている
階段を降りるとデカい蜥蜴がウロウロしている
俗に地龍といわれる大蜥蜴だ ハイジがパンチをみまうが「かた~い」と叫んで後ろに退いた ノエルも剣技を繰り出すが
傷一つ付かない 母ちゃんがトルネードで奴らを浮かせ がら空きの腹に爪を立てる 腹部側は柔らかそうだ それを見て
ハイジとノエルがそれぞれに大トカゲの腹にパンチや剣をおみまいをする 程なくして大トカゲは全滅する 宝箱が落ちた
中にはガントレットが入っていた もちろんハイジに渡す ガントレットを両腕に着けてガシャンガシャン鳴らしている
奥に頑丈そうな扉がある 皆で頷く 俺が扉を開けると大トカゲではなく 本物のアースドラゴンが眠っていた さっき迄の
大トカゲの十倍ぐらいある 「アースドラゴンは目と目の間が弱点だから そこを狙え」母ちゃんにいわれてノエルとハイジ
が交互に攻撃をする だが やはり硬いらしくダメージを与えられない 何回目かのノエルの攻撃の時 アースドラゴンがいきなり口を開けてノエルに噛みつこうとした ノエルは避けるタイミングを逃し そのまま噛みつかれようとした瞬間
俺は無意識に従者の剣を抜いて アースドラゴンの眉間に剣を突き刺した 低い唸り声を上げながらアースドラゴンは俺を振り落とそうと首を激しく振り回すが 俺は構わず柄の根元まで突き刺す 暫くすると動きが緩慢になり崩れ落ちた
アースドラゴンの死体が消えると宝箱とコアが出てきた 宝箱には精霊王の杖が入っていたのでクラリスに渡す
コアは今回はノエルに割ってもらう ノエルのスキル「シリウスへの溺愛」が「シリウスと一緒」に進化したそうだ
相変わらず意味の分からないスキルだ なんの効果があるんだ?
踏破は完了したのでギルドに行って報告してノエルの家に帰って来た いつものように俺の部屋に皆さん溜まってお話をしておいでだ
うとうとしていると誰かが俺のズボンを脱がせようとしている 顔を上げて足元を見るとノエルがぎこちなく俺のズボンを下そうとしている
「何をしているんですか?ノエルさん」俺が起きた事にビックリしたようで慌ててムニャムニャと言いわけをし始めた だが 良い言い訳が浮かばなかっったのか 諦めた感じで「なあ シリウス お願いだから尻尾だけでも生やしてくれないか
おまえのスベスベの素肌も良いが たまにはフサフサの尻尾に包まって寝たいんだ」
「分かりました 全身はきついので尻尾だけですよ 後 行ってくれれば尻尾ぐらい出しますから 淑女がそんな事してはダメですよ」
尻尾を出すと嬉しそうにマッパで尻尾の中に潜り込んで秒で寝息を立て始めた