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閑話

「ねえねえ あたし達も(父ちゃん)(母ちゃん)って呼んで良い?」

ハイジが二頭のフェンリルに向かって尋ねる

クラリスは横でモジモジしながら上目使いに二頭を見ている

「何を今更 私は二人を娘だと思ってるぞ もちろん母ちゃんと呼んでもらって 何も問題無いぞ

そこにいるのも父ちゃんと呼んで構わん な?」母ちゃんが父ちゃんに視線を送ると「バフバフ」と

頭を上下させていた


「やったー あたし達 家族がいないようなものだから 母ちゃんに父ちゃん シリウス兄ちゃん ノエル姉ちゃん  一度に沢山 家族が出来て嬉しいよ」ハイジは跳ねながら喜び クラリスは顔を赤くしている


「それでは 私は(お義父様)(お義母様)と呼ばせて頂きます」

ノエルさんがぶっこんでくる


今日は予定も無いし ぼんやりと外を見ると ハイジ クラリス ラテが 通り雨でできた水だまりを飛び越えて遊んでいる


窓辺に立っている俺の横に ノエルさんが来て

「なあ シリウス 前に聞いたけど お前のギフトは何なんだ?言いたくないなら別に無理には教えろとは言わないが?」そういえば 前に聞かれた事があったなと思い出した


「俺のギフトは執事だよ 何でも 生活家事全般 魔法もある程度なら全部使える」

「おお!! それは便利で 凄いな!!」ノエルさんが俺を覗き込みながら褒めてくれる


ノエルさんと出会ってから 全ての能力が上がっている 俺がノエルさんを仕える主とみとめたのか

シリウス(犬)の影響なのか分からないので 能力が上がっているのは もう少し黙っていよう なんとなく




遊び疲れた三人の子供達が部屋に入ってきた


「今日は あの領主が言っていた 宿屋の食堂に皆で行こうではないか」母ちゃんを口説いていた領主のお勧めの所だろう


「じゃあ 僕は帰るね」ラテが帰ろうとするのを母ちゃんが引き止め

「むろん 皆の中にはお前も入っておるから 一緒に行くぞ」

「でも 僕……」俺やノエルさんをチラチラと見てくる

「我が娘の友人を蔑ろには出来んじゃろ なあ ハイジ クラリスよ」

ハイジもクラリスもラテの手を取って

「「そうだよ!! 友達なんだから一緒に行こうよ 」」

「そうだよ 子供が遠慮なんかするもんじゃない」ノエルさんも言いながら俺を見る

「そうだよ ラテ 君はハイジ クラリスに泳ぎも教えてくれたじゃないか そのお礼も兼ねてだから」


「ありがとうございます 是非ご一緒させてください」ラテもようやく頷く


宿屋の食事所に着くと 支配人らしき男が胡散臭そうに俺達を見て

「私は支配人のマキノと申します ご予約はされていらっしゃいますか?」と尋ねる

母ちゃんは物怖じせずに

「領主から 勧められたんじゃが ほれ あそこに本人がいるから確認してくれ」

領主が艶っぽい女性と食事をしているのを 顎で示し 支配人を見る

支配人はスッと領主の所へ行き 何事か話している 領主はこちらに目を向けると驚いた顔で支配人に話している 支配人が慌ててこちらに来ると

「大変 失礼しました 夜景の見える特等席をご用意させていただきます」

案内された席に着くと 最初に大人達には冷えた酒 子供達には果実で作った冷えた飲み物が出された それから魚や肉を使った豪勢な料理が運ばれ 普段は食の細いクラリスも「美味しい 美味しい」とパクパク食べている

ラテも「こんな美味しい物 初めて食べました」感動しながら食べている

「妖精が僕を取り替え子だと村中にふれ回って 優しかった父母や村のおじさん おばさんが冷たい目で見て 遊び仲間たちからは石を投げられ 辛かったです あのお兄さんが言った通り 生きていれば こんな幸せもあるんですね」ラテが遠い目で呟く

迫害されてた時の話を聞いて暗い表情をしていたクラリスが興味深そうに聞く

「お兄さんって 誰?」

「村を飛び出して 当ても無く彷徨っていた時 お腹が空きすぎて 川辺で倒れてていたのを 綺麗な男の人に助けられたんだ ご飯を食べさせてくれて いろいろな話をしてくれて 僕は救われたんだ あの時 お兄さんが世話になってる孤児院に来ないかと誘われたけど また同じ目に遭うんじゃないかと怖くて断ったんだけど…… 別れる時に「君は将来 心許せる仲間ときっと出会えるよ」って言ってくれたんだ」


「どこかで 似たような話を聞いた事があるわね」ハイジが言うと

「三聖女の話だよね」クラリスが答える

「ちなみに その男の人の名前は何て言うの」ハイジがラテに聞くと

「えーと 確かクロノスさんだったかな?」ラテが思い出しながら言うと

「「やっぱり 王様だ!!」」二人が声を揃えて叫ぶ

「ラテは孤児院に行っても行かなくても 私達と出会う運命だったのよ」

「えっ? どういう事? クロノスさんを知ってるの?」ラテが不思議そうに聞く


「だって クロノス王は私達が住むラリウス聖王国の王様だもん」ハイジが言い

「私達が取り替え子だって知っても 嫌な顔ひとつしないで ふつうに接してくれたのよ 大陸全土から孤児を集めて 面倒みているし とても良い人よ」

クラリスが尊敬の眼差しで語る

「へぇ そうだったんだ!!あのクロノスさんが……」ラテも驚く


楽しい食事会も終わり 宿に戻る ちなみに会計は領主に付けといた

ラテは町外れの小屋に住んでるらしく そこに帰って行った


浮かれ気分で寝ようとすると 久々にノエルさんがマッパで尻尾の中に潜り込んできた ここ何日かはハイジとクラリスに遠慮していたらしい

ハイジとクラリスは父ちゃんと母ちゃんの間に埋まって寝ている


翌朝 父ちゃんが「潜って眠るのは 構わんが 何故 裸で潜り込むんだ?」と俺に聞いてきた




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