俺の彼氏が可愛すぎて今日も無事死亡
たまに23時くらいとか早くに寝付くと、一度は夜中に目が覚めてしまう。
新しく買ったセミダブルベッドで、ふと目が覚めたそんな時、寝息を立てる薫の姿が一番に目に入る。
あ~・・・・かわい・・・
枕に少し沈んだ頭と、綺麗な横顔が目の前にある。
ゆっくり肺が膨らんでは縮んで、たったそれだけを繰り返していることに、愛おしさすら感じる。
真っ暗な部屋の中でわずかな明かりもない中、薫の輪郭をじっと見つめる。
自然と頬が緩んでしまう。ギリギリまで近くに体を寄せて、そっと頬にキスしてみた。
特に反応するわけではないけど、薫は身をよじって俺の方へ横向きに寝相を打った。
可愛いので思わず頭を撫でる。
「薫~・・・」
小声で呼びながらゆっくりサラサラな黒髪を堪能する。
近くに顔があるとどうしてもキスしたくなる・・・
長いまつげが、綺麗に揃った眉毛が、少し長くなった前髪が、無防備なその姿全部が愛おしい。
起きないようにそっと頬や顎に触れてみる。
前から思ってたけど・・・薫全然髭生えねぇよなぁ・・・
普通寝起きとかじゃ薄い人でも多少生えてるもんだけど・・・薫つるっつるなんだよな
何でだろ・・・。はぁ・・・可愛い・・・
また頭を撫で続けてみると、薫の口元がわずかに緩んだ。
んああああああ、可愛い~~~
思わず片腕を薫の背中に回して、ぎゅっと抱き寄せた。
するとすり寄るように胸の中にすっぽり入ってきた。
あああああああああああ!!がわいいい!!
も~なんなんだよ!男なのになんでこんな!いや!男なのにとか言うのおかしいけど!!もうなんなんだよ!可愛すぎるだろ!何にも言ってないのに大好きが伝わってくることすんじゃん!幸せなんですけど!薫が側で寝てるだけで昇天しそうなんですけど!何が可愛いってこのサラサラの黒髪に綺麗な丸みある頭とか、白くてすべすべの肌とか!ちょっと薄めの唇が薄桃色なとことか!!中性的な顔立ちで可愛いは可愛いけど、骨格とかはちゃんと男でしっかりしてるとこもギャップでいいし、体細すぎるから心配だけどいっぱい食べても太らないみたいで、焼肉大好きなとことか!好きなことに対しては目キラキラさせて話してくるし!甘えてくれる時はそれはそれで小さい子供みたいに抱き着いてくるし!!なんなんだよ!18歳と思えねぇよ!何しても可愛いのかよ!一生側にいるわ!
そんなことを頭の中で騒がしく叫んでいると、強く抱きしめ過ぎたのか、薫はまつげをピクっと動かしてうっすらと目を開いた。
寝ぼけ眼で俺に目を合わせて、ふっと笑顔になった。
「夕陽ぃ・・・・」
ぎゅっとすり寄って俺の腰に腕を回して、抱きしめ返してくれて、その寝ぼけた行動に心臓をぎゅっと掴まれる。
俺も抱きしめる力を強めると、そっと顔を上げて、強請るように目を閉じて可愛いくキスをせがんできた。
その瞬間頭の中で変な鳴き声をあげてしまって、かつ何かカチっとスイッチを押された気がした。
優しくキスを返して、また愛おしそうに目を細める薫が尊くて、もう頭の中は爆発寸前だった。
その後何度も何度もキスを繰り返して、真夜中だというのに半ば強引に薫を抱いた。
その後何時くらいに寝付いたのかは覚えてない。翌日は休みだったので、少し遅めに目が覚めた。
10時くらいだったと思う。
目を開けてボーっとしたまま体を起こすと、全裸のまま寝ていたことに気付く。
薫がリビングから戸を開いて、また可愛い笑顔を覗かせた。
「おはよ、よく眠れた?」
そう言いながらベッドに座って、そっと寝ぼけた俺にキスをして、乱れた髪の毛を優しく整えてくれる。
「ん・・・ふふ・・・」
思わずにやけて抱き着くと、薫も背中に腕を回した。
「服着ないと風邪ひくよ?」
「ん~~・・・」
頭の中で、薫に言いたいことはいくらでもあるけど、言葉がまとまらなくてそのまま薫の首元で呼吸した。
なんつーかいっつも薫はいい匂いだ。
「薫ぅ・・・好きぃ・・・。」
「・・・ふふ・・・俺も好きだよ。」
「・・・薫はいい匂いだなぁ・・・」
それはシャンプーだったりボディソープだったり、あるいは洗濯洗剤だったり、ヘアオイルだったりするのかもしれない。
でもそれに惑わされずに、薫の白く澄んだ皮膚の奥にある匂いを、食べるように味わいたかった。
だいぶ変態的なのは自覚してる。
「薫の匂い嗅ぐとさ・・・したくなんの・・・」
「・・・したく・・・セックス?」
「ん・・・。」
「したくなってるの?」
「ん・・・。」
「・・・昨晩結構したよ?」
「マジか・・・。」
「覚えてないってことはないでしょ?」
「うん、覚えてはいる。でもそんないっぱいしたっけ・・・」
「ふふ・・・ゴミ箱にあるゴムの数、数えたら?・・・空気がこもってるから一度窓開けようね。暖房切るし、リビングに着替えておいでよ。」
「うん・・・薫ぅ。キスは?」
「はいはい♡・・・好きだよ夕陽♡」
あああああも~~~~~がわいい・・・・
軽くキスを交わして、立ち上がる薫を追いかけたくて、さっとパンツを履いて、ベッドの収納からささっと普段着を取り出して袖を通す。
エアコンを切って窓を開ける薫から目を離さずに、スエットをぐいっと履き終えてから、冷たい空気が流れる窓に立つ薫を、引き寄せるように後ろから抱き着いた。
「夕陽?・・・・あれ・・・なんか硬いのが当たってるんだけど・・・」
「欲情してごめんなさい。」
「ふふ!謝ることないけど・・・。ご飯どうする?中途半端な時間だから、夕陽はブランチでもする?」
「・・・・薫を先に食べたい。」
我慢できずに呟いて腰を擦り付けると、薫は回した手を重ねるように優しく触れた。
「昨日たくさん食べたのに、発情した犬みたいだね夕陽。俺まだ・・・若干腰痛いんだけど・・・」
「え!嘘!ごめん!」
上目遣いで見上げる薫の頬にまたキスして、腰を撫でるように手を這わせた。
「じゃあ薫は~・・・痛くないように犬みたいに四つん這いになってて♡後は俺が好きなようにするから。」
薫はため息を落として「も~」と言いながらも、覗いた顔は少し頬を赤らめてて尚のこと可愛かった。
今日も薫が可愛すぎて、無事生きていける。