第81話 連携
ヒロは手を前に出し、魔法を使うようなそぶりを見せた。
「な!?」
エルザスはとっさに、メグではなくヒロに向けて糸を吐き出した。
ヒロはさっきから、ちょくちょく魔法を使っていた。
エルザスには、ヒロも魔導士に見えるに違いない。
大きな魔法が来ると思い、ヒロを狙った。
「かかったな!」
ヒロは、もう魔力は残っていない。
魔法なんて使えるわけがなかった。
魔力が無ければファシュファルから知識を得ることもできないようで、どんな魔法が使えるのかが分からなかった。
そのため、適当に強そうな魔法を叫んだだけだ。
ジュドーとメグが戦いやすくするため、ヒロはおとりになったのだ。
ジュドーが、エルザスの隙を逃すはずがなかった。
「絶技!流水の太刀!」
ジュドーの動きが早くなり、残像のようなものが見える。
流れるように剣戟を繰り出した。
エルザスはまたも手足を使って攻撃を受け流すが、ジュドーの手数の多さに防戦一方である。
だが、ジュドーの剣技もあくまでも一時的な技だ。
ずっとこの流れるような攻撃を繰り出せるわけではない。
数秒で、ジュドーの残像はなくなり、通常のジュドーの動きに戻った。
だが、ピンチかと言えば、そうではない。
ヒロがおとりになり、ジュドーが攻撃を繰り出してエルザスを抑えた、その数秒が功を奏した。
メグの魔法はすでに詠唱を終えていた。
エルザスは8本の足を素早く軋ませながら、暴走者のごとくメグへ迫り、糸を吐き出した。
だが、もう遅い。
糸がメグにたどり着くよりも先に、メグは杖を天に掲げ、叫んでいた。
「カラミティレイン!」




