第77話 クソプロジェクト発注者
すると、あたりが輝き、目の前が真っ白になった。
眩しくてヒロは思わず目を閉じた。
「神に対して、殴らせろとは何事ですか」
ヒロの目の前から声がした。
目を開けると、女神ファシュファルが立っていた。
あたりは真っ白な空間。
ヒロが初めてファシュファルに出会ったときと同じ場所のようだ。
「え!?あ、ファシュファふ」
ヒロは、あまりの驚きにまた噛んだ。
少しイラっとしたように眉間にしわを寄せつつ、笑顔でファシュファルは答えた。
「相変わらずですね。廣田準之助よ」
ヒロは我に返った。
とにかく、今はピンチなのだ。
「あなたに文句を言いたいことがたくさんありますが、それよりも今は助けて欲しいのです!
今まさに、私の仲間が殺されそうなんです!
こうしている瞬間にも…」
「ここに時間の概念はありません。
時間は止まっていると考えてもらえばよいでしょう。
ですから、焦る必要はありません」
ヒロは、少し安心した。
だが、状況が変わったわけではない。
ファシュファルに懇願する。
「助けてくれますか!?」
「それは、できません。
神は自分の世界に直接干渉することを禁止されています。
私ができるのは、あなたのような命あるものを経由して、間接的に世界に干渉することだけなのです」
「そんな…
私の力では、この状況は打開できません!
この世界を私のプロジェクトマネジメントの知識で豊かにすることが、あなたの目的なんじゃないんですか!?
このままでは、プロジェクトも失敗しますし、私の命も…」
「その、プロジェクトマネジメントの知識ではこの状況は打開できないのですか?」
ヒロはその言葉に、一気に怒りが噴出した。
「プロジェクトマネジメントは戦争する知識じゃないんですよ!
あなた、一体なんなんですか!?
そもそも、私に丸投げしては全く放置。
私を通して間接的に世界に干渉する?
なら、もっと私にアドバイスをくれてもいいでしょう!?
こんな土壇場にしか顔を出さなきなんて、クソプロジェクト発注者ですよ!」
ファシュファルは驚いた顔で、黙って聞いていた。
その後、眉をひくひくさせつつ話し始めた。
「…ひどい言われようですね。
神もそこまで面と向かって言われたことはありませんよ。
まぁ、私は神ですから、そんな事では怒りませんけどね!」
明らかに、少し怒ってる。
ヒロはそう思った。




