一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート) みゆき
あした枯ると
知りて咲くらむ
烏瓜
ひとよかぎりは
うつくしからんや
《訳》
朝には枯れると知って咲くと聞いている烏瓜のようにひとよかぎりであるのは美しいのでしょうか?
《一応の解説》
烏瓜
真夏の夜に咲く花。花弁が特徴的です。勝手に画像は貼れないので、ぜひ検索してみてください。
《つぶやき》
ここにいたるまでいろいろ推敲した作品です。
私は出来るだけ完成した作品をすぐに投稿しないようにしています。一番の理由は夜中のラブレター現象の防止です
まあ今回とかは思いっきりラブレターみたいなものなので要注意ですよね……
(まあものはいいようですが)
でも、出来上がったら投稿したくなる気持ちわかります。和歌であれば特に、すべてのピースが綺麗に収まったパズルを完成させたような感覚なので。そして解説を書き終えると、提出書類を書き上げたからあとは手元に長期間置いておきたくないみたいな気分になります。
今回の場合はクオリティーに納得できなかったというのもありますが、なんとか自分の中では及第点に達したと思っています。
さて、和歌の内容に。烏瓜という花を知り、その妖艶な印象と生態からこの和歌の発想に至りました。
比喩の「の」の省略という形で比喩を用い、最後には反語と和歌っぽさを感じる内容であると友人が言っていて、なるほどと思いました。
立秋を過ぎてもとても暑いです。原因は立秋の意味です。立秋は「秋を感じることが出来る最初の日」らしく、暑さが和らいでくる最初の日頃に設定されたそうです。つまり真夏の暑さと変わらないのでは……
(諸説あり)
ここまで読んで頂きありがとうございました。
友達に最終確認を送っているのですが、そのコメントが面白かったので引用しておきます。
すぐとなりで寝ている貴方の肌を触れて思う。
きっと私が目覚めたときには貴方はもうここにはいらっしゃらないのでしょうね。
部屋にわずかに降り注ぐこの月明かりが消える頃、きっとこの夢も覚めてしまうのでしょう。
いえ、それならば。
一度きりと知りつつ過ごした夜を、美しいままに心にしまっておきましょう。
私だけは……
ひとよの烏瓜が見せた、あの儚げな白い花弁を知っているから。