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ラム&フラッグで警察(☆)と一悶着あった後、しばらく歩いて人通りの少ない場所に来た。
途中、結構フェンさんに声を掛ける人がいて有名人なんだなぁと改めて思った。
黒いフェンさんの時はとても声は掛けられないけど・・・
「 ペペル、ここからは少々ガラの悪い場所になる。一応PT組んでおくぞ?」
ポーンとオレの視界に「ふぇんりる:@さんからPT申請が来ました」というメッセージが飛び込んできた。承認OKのボタンを押す。
「 よし、この辺からは第2地区になる。さっきまでいたのは第4地区、ここら一帯は銃職人の工房通りだ」
「 へぇ〜、生産職は何レベからなれるの?」
「 レベル15からだ。種類はかなり多いから色々試してからしっくりくるものを選べばいい」
「 フェンさんは何をやってるの?」
「 俺は《採掘者》から派生した三次職、《探究者》をやっている。この職は上げるまで難しいが、PvPに役に立つ。対人で有利になる職はいくつかあるからレベルが上がったらまた教えてやる」
「 三次職かぁ・・・いつかなりたいな!」
「 よーし、話は終わりだ。ここを通る時は一人では絶対来るなよ?今は俺の後ろに着いてくればいい。あと、周りの連中に目線は合わすな」
「 りょ・・・了解」
なんかめっちゃ怖いんですけど??
そして、いつの間にかフェンさんが黒の一式を装備していた。
銃職人の通りは入る前から仄暗い雰囲気が漂っていたけど、入ればほとんど人通りが無くて陰気な場所だった。
居るのはぼろぼろの装備を纏った人か鋭い刃物のような表情をした人だけ。
そして・・・
「 あのー・・・フェンさん、あの白と赤のモヤモヤって・・・」
そう。
至るところに赤と白の靄が浮かんでいるのだ。
「 アレは死亡したプレイヤーだ。この第2地区は長い間”領主“が居ないせいで荒れている。赤はアンティデス、白は通常デスだな」
ひぇぇぇぇ〜・・・めちゃくちゃいっぱいあるじゃん。確か赤いデスペナはPvP開始時にドロップアイテムの賭けをするんだったかな?
「 もう少しだ。あともう少し我慢してくれ」
ん?我慢?
何の我慢だろ?
「 よぉう、@ccelの幹部サマよぉ」
唐突に後ろから声が聞こえた。
「 お前に言ったんだが、気付かなかったか?」
後ろを振り向くと下卑た笑みを浮かべた男達がオレ達を取り囲んでいた。
「 知らねぇなぁ!手下も連れずにこんな場所でガキと一緒にお散歩たぁ抜けてるぜぇクソ狼がよぉ!!」
下衆っぽい連中がしょうぶをしかけてきた!
コレって結構ピンチ!?