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始まり

2年生活が終った慎二は春休みの初日に

合宿に行くことになった。

目を覚ました時にはまだ6時半だった。

朝起きたらカバンに母親が準備してくれただろうか、バックに

荷物がぎっしり詰まっていた。

慎二は夕食を食べていなかったのでとりあえず、ご飯をよそい食べる事にした。

朝はあまり食欲が出ないのでご飯を少し食べただけにした。

7時ぐらいになると母親が起きてきて弁当を作っていた。

慎二は暇だったのでテレビを横になりながら見ていた。

「慎二、慎二、起きなさい」

気がついたときには慎二は二度寝をしていた。すぐ後ろには母親が上からものすごく怒った顔で睨みつけてきた。

慎二は時計を見てみたら7時40分ぐらいだった。

「やべっ」と慎二は素早く着替えて家を出た。

慎二は急いだものの意外と時間があったので髪型を整えながら学校に向かった。

今日は始めての合宿だった。

学校に8時少し前に慎二は学校に着いた。

慎二が来た時にはもうほとんどの人が集まっていた。

普通は遅刻する人も今日は速く来ていた。

そしてキャプテンの児島が顧問の先生を呼び出して来た。

みんなは先生が来た瞬間にみんなが集まりだした。

そして顧問の先生が最終確認している途中に後ろから松浦が来た。

松浦は副キャプテンでサードを任されており、頭が悪いが野球はとても上手い選手だ。

「遅れてすみません」と松浦は息を切らしながら顧問の先生のところで頭を下げて謝った。

「何で遅刻をしたんだ。」と顧問の先生が目を鋭くして松浦に睨みだした。

「ね・・・寝坊です。」と息を切らしながら答えた松浦はやっと顔を上げて先生と目を合わせた。

松浦は遅刻するのは珍しく、先生は表情を変え少し意外な顔をしていた。

「では、話を戻すが親の車で行くので迷惑がかからないようにすること以上」

先生の話が終わりみんなはグループになり親の車へと急いだ。

慎二は堀山と児島と松浦と宇田の四人で車に乗った。

車は児島の親の車だった。慎二は「おねがいします。」と一言伝え、車に乗った。

慎二は隣の宇田に話しかけようとしたが、返事が来ないので一言も話さずただ道を眺めていた。

そんな事を気にせずに車で合宿へと向かったのだ。

車で4,5時間ぐらいだろうかやっと合宿に着いた。

ここは箱根の山奥で見渡す限り緑が広がっていて、道には車が一回もすれ違っていなかった。

車から降りた慎二たちはとりあえず本部へ行った。

本部には先生がいて、先生の話が終った後に一年と二年に分かれて部屋に入った。

一年生と二年生の部屋は別々で一年は車でどっか行ってしまった。

二年生の部屋は3つに分かれていて二年生は16人いるので5人グループと6人グループに別れた。

慎二は堀山と宇田と前口と菊池の5人グループになった。菊池は野球が下手で勉強も駄目で全然ダメな奴だが、

テンションが上がるとものすごく面白い人なので菊池を少しからかうのが楽しいと言うことで菊池を入れた。

部屋と言ってもワンルームの小屋みたいなのが広がっていて間は結構遠く、500メートルぐらい離れていた。

そしてグラウンドは本部のすぐ近くにあり結構広くつかいやすそうな所だった。

とりあえず昼ご飯を食べる事になった。慎二は本部で食べる事にした。

本部は結構広くて近くに川が流れており水は透き通っていた。

そんな川を眺めて食べたご飯は結構美味しかった。

食べ終わりみんなはグローブなどを持ってグラウンドへと向かった。

堀山と話しながらグラウンドに着いた慎二は先生の元へ行ってこれからのメニューや

方針などを聞いた。

練習をするので中に入ってみると中は広くて客席部分は2,3万人ぐらい入るぐらい大きかった。慎二はベンチでグラウンドを眺めていた。

そんな時だった。いきなりサイレンが鳴り出した。

「皆さん、今日はわざわざ球場に来て、練習を励もうとしたのに残念。

今、君達の状況を説明しよう。今一年生全員と先生が人質になっている。

ほら、放送席を見たまえ。」

放送席は観客席の下で、ベンチとベンチの間にあり丁度ホームデースの真後ろに合った。

慎二たちは急いで放送席に走った。

放送席には全身黒いスーツを着ていて仮面らしきものをかぶっていた。

中は厚いガラスに見えた。

仮面はみんな同じ奴で5,6人はいた。人質となった一年はガムテープで口を押さえられていて、拳銃で頭を抑えられていた。

「皆さん、今の状況が分かったと思う。」

「何でこんな事をしたんだ。」相手の答えに鋭く答えたのは堀山だった。

堀山は顔に汗を垂らしていた。精神面が強い堀山でもさすがに足が震え、声もかすれていた。

「何で?私はね、暇で暇でしょうがないんだよ。この世は腐ってきている。

もう、生きる意味が無くてね。それで生きる楽しさが欲しくてそれでゲームをしようと思ってね。」

「ゲーム??」慎二は心の中で馬鹿かと言いたかったが、心に抑えた。

「ゲームって何だよ。」慎二は即答えた。

「今は教えられないな。」と簡単に流されてしまった。

教えられないってなんだよと心の中で思った慎二は怒りを抑えるのでやっとだった。

慎二は怒りで声が強く、舌打ちをしてしまった。

「俺、帰る」と先に言い出したのは菊池だった。

「帰ってしまっては困ります。しかし、そんなに帰りたいなら、止めたりしません。」

「おい、ふざけるんじゃねーよ」と慎二は菊池に睨みつけたが、慎二を見る気配も無く即帰ってしまった。

しかし、誰も止めるやつはいなく、次々と帰ろうと荷物を片付け始めてるやつが出始めた。

「おい、お前等本当に帰るのかよ。」慎二は怒りがおさまらなかった。

「おい、何で帰るんだよ」と今度は井上が怒鳴りつけた。

「だいたいな、帰っても止めないと言ったら帰るしかないだろう。それに罠で残ったら殺されてしまうかもしれないんだよ。」

言って来たのは山田だった。

山田はあまり目立たなくて、いつもエラーなどをしていて試合にはあまり出てない。

「だって、死にたくないしゲームって何するか分からないし・・・。」

それに乗ってきたのは松浦だった。松浦はカバンを背負って帰ろうとしていた。

「おい、お前等ふざけるなよ、おい」慎二は皆を止めようとしたが皆は一度もこっちを見ずに帰ろうとしていた。

「ふん、なんだかんだで結局怖くて逃げているだけだろ。

そんな奴はさっさと帰れっていってるんだよ。この役立たず共が。」

振り向くと井口眞があきれた声で松浦に言った。

「なんだと?」松浦は目を細くして眉間に皺を作って井口に睨みだした。

「違うのかね?」と井口は上から目線で松浦に返事を返した。

結局プライドが高い松浦は舌打ちをしながら戻ってきた。

帰ろうとした奴も井口の言葉で残ろうと決心した奴は少なくは無い。

結局残ったのは16人いる中で、12人だった。

帰ったのは菊池、前口、山田、沼田の4人だった。

慎二も帰りたかったが、一年をほっといて帰るのは怖くて結局残ってしまった。

「君達は帰らなくていいのかね?」

12人は「当たり前だ。」と真剣な目つきで答えた。

「よろしい、ゲームを始める前に一つ言っておきたい事がある。

まず、本部へ行ってもらおう。時間は今から30分後に本部へ行ってもらう。

もし、少しでも遅れたりしたら人質の命は無いと思え。以上。」

放送が終った瞬間皆は無言状態だった。

行こうと児島の合図で本部へ急いだ。

本部はすぐ着いた。

本部には人質となっている人や犯人が先にいた。

犯人は数が増えていた。最初は5,6人だったが今は10人ぐらいいた。

皆は銃を構えていた。一年や、先生はかなり怯えていた。

あれは・・・菊池じゃないか。

なんと帰ろうとしていた奴まで人質になっていた。

慎二は帰らなくて良かったと本当に思っている。

しかし、慎二の怒りはだんだんエスカレートしていき、我慢が限界へと少しずつ進んでいった。

今からゲームを行ってもらう。

慎二はあることに気がついた。人が誰もいない。どうしてだ?おかしい。

それに気がついたのか犯人グループのリーダは「そこの君、何をそんなに周りを見ているのかね?警察の手を借りたいのかな?」

慎二は意表を突かれた。

「そうか、そうだったら諦めた方がいい。ちゃんと手を打ってる。」

犯人グループのリーダーは自信満々の笑みで慎二に答えた。

「話は変わるがゲームとは、何か気になるよね。」

犯人は一回周りを見渡して口をもう一回開いた。

「ゲームとは、カブトムシを30匹集めてもらう。

時間内とはそうだな、丸一日の24時間だ。

まぁ、簡単であるか、難しいかは分からない。」

「ちょっと待って、カブトムシって夏の生き物だろう。今、春だろう?

カブトムシなんかいるわけ無いじゃないか・・・。」

慎二はリーダーに問いかけた。

「カブトムシはこちらで用意した。ちゃんと30匹いる。

それに、わざとカブトムシにしたんだよ。今、このカブトムシを放して夏だったらどれがどれだか分からなくなっちゃうだろう?だから今いないカブトムシにしたんだよ。

それから、携帯などの連絡は認める。ただし、警察の手を借りてみろ。

発見した時点で皆アウトだ。これだけは許さない好意だ。

まぁ、頑張れ、君達には頑張ってもらいたいと思ってるよ。では30分後の2半時からスタートする。今、カブトムシを放す時間が必要だからな。食料は時間になればメールで合図する。本部に取りに来い。以上。」

そう伝えた後、犯人達はカブトムシを持ってどっか行ってしまった。

そしてリーダーは残り銃を持って皆のことを見張っていた。

「暇だから、詳しいルールを説明する。一回しか言わないから良く聞くんだな、

もし、ルールから外れたらこの人質を殺すからな。

まず、球場の隣にある雑木林があるよな、そこに全部放した。

捕まえる道具はもちろん用意してある。手で取ったり、虫かごが無かったら大変だろう。

そしてカブトムシを30匹全部捕まえたら俺のところに持って来い。

・・・それだけだ。もう一度言う、ルールを守れなかったら即殺すからな。

それに、場所を示した地図も配る、かってにどっか行ったら困るからな。

ここまで準備してやったんだから、まぁ、楽しもうではないか。なぁ、慎二君」

慎二は驚いた。何で犯人が俺の名前を知っているのだろうか、怖かった。

でもそんな時、犯人が携帯を開いた。たぶん、全部カブトムシを放したんだろう。

そしてあと、一分、そしてリーダーがカウントダウンをし始めた。

5・・・4・・・3・・・・2・・・・・・1・・・・スタート。

さっそく地図と虫かごと虫網、そして軍手が渡された。

地図を見る限り大きさはとても大きかった。動き回るカブトムシを探し出すのは難しい事だろう。幅は軽く2キロメートルはあった。

さっそく作戦会議が始まった。まず、メールアドレス交換をした。だれでも連絡できるように。携帯がもってない慎二と磯田と宇田は携帯を持っている人と探す事になった。

そして大体の探す場所など。それに見つけたときには場所を詳しく伝える事など。

ちなみに携帯を持っていない慎二は信頼が最もある堀山と探す事になった。

宇田は児島と、磯原は畑口と一緒になった。やる気がある者や、ない者もいたが、今はそんな場合じゃない事は皆が分かっていたのだろう、一言も弱音を吐いたやつはいなかった。

けど、作戦会議中に舌打ちや小声でブツブツ言ってる奴もいたが、あえて慎二は無視した。

そしていよいよ皆が探す場所を決め、皆は本部から散らばって行った。

虫取りゲームスタート。

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