表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/98

『ず、随分と潔い決断だね。もう少し考えると思ってたけど』


「紫音いわく、俺は瞬間湯沸かし器だそうッスよ? ――バレるのは時間の問題でしょうし、早め早めに行動した方がいいでしょ」


『でも、僕としては待ってほしいかな。統括局が事態を把握してるかどうか、確定していないんだよ? これが機甲都市の独断とかだったら、敵を増やすだけだ』


「それは……」


『気持ちは分かるけど、もう少し待ってみよう。今、中の様子を探ってるところだから』


「は、はあ」


 頷くが、日暮の言葉には驚いた面もあった。

 常識的に考えて、統括局のセキリュティは現代最高級のモノが使われている筈だ。それを勝手に覗くという。……灯台もと暗しとは言うが、俺の仲間は案外と凄いのかもしれない。


 もちろん、相性の問題もあるだろう。統括局は『外』の連中が世界が管理している場所だ。管理システムに魔科学が使われている可能性は高い。

 夢魔を始め、精神系の魔術師なら比較的突破しやすい筈。


「……?」


 突然差してきた影に、俺は首を捻る。雲の動きが早いんだろうか?

 違う。


 ドラゴンだった

 始祖魔術でなければまず見ない存在が、統括局に突っ込んでいる……!


『な、なんだい!?』


 耳をつんざく轟音は日暮にも聞こえたらしい。

 突然の出来事に人々は悲鳴を上げる。局の出入り口を見張っている魔術師達も、突然の攻撃で狼狽を露わにしていた。

 こちらにすれば好都合。

 中に入る大義名分を、敵が勝手に持ってきてくれたわけだし。


『誠人君!? 聞こえてるのかい!?』


「大丈夫ッスよ。今、ドラゴンが統括局に攻撃しただけですから」


『こ、攻撃? しかもドラゴン? 一体誰が……』


「とにかく、俺行きますんで!」


 制止の声はあったような、なかったような。強引に通話を切ったんで分からない。


 いつも通りの感覚を得て、俺は大空に飛び上がる。

 ドラゴンが入ったフロアは、母と面会した広間の付近だ。とすると、敵の狙いは閉じ込められている魔術師達。阻止するに越したことはない。

 ぶち抜かれた穴の向こう。好都合なことに、銀色の背中が晒されていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ