表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
養子に出た妹が誘惑してきて、妹だなんて忘れたい  作者: 軌跡
第三章 日常に牙は潜む
24/98

「アタシの恋人になってくれるんなら、先輩の希望を叶えてあげる。お釣りが返ってくるような条件だね?」


「いやいやいや!!」


 全力で否定する。

 彼女は知らないんだろうが、俺達は血の繋がった兄妹だ。そんなこと、出来るわけないだろうに。


「な、なんでー!? やっぱり先輩は女嫌いなの!? EDなの!?」


「大声で言うなっての! あらぬ誤解が広がるだろ!」


「ってことは、やましいことがあるんだ?」


「ないっ!」


 まあ兄妹であることを隠している点は、疚しいといえば疚しいかもしれない。

 ともあれ大声で喋った所為か、何人かの注目を集めてしまっている。……逃げるのは逆効果かもしれないし、ここはじっと耐えしのごうか。


「くそっ、変な噂が広がったら紫音のせいだぞ」


「大丈夫、安心して。アタシがその前に、先輩と付き合ってる既成事実を流すから」


「グレードアップしてるだろ!?」


 まあまあ、と俺を宥めようとする紫音。

 食事を再会すると、中庭の入り口に一人の女性が見えた。

 俺より早く気付いた紫音は、立ち上がって手を振っている。もうその段階で、相手が誰なのかを確認する必要はなかった。


「どうしたのお母さん? アタシに用事?」


「ええ、紫音が楽しんでるか見にきたし……誠人君にも、仕事のお話があるのよね」


「俺ッスか?」


 となると、いつのものやつか。

 俺は買っておいたスポーツドリンクを喉に流して、膨らんだ腹と一緒に立ち上がる。


「くああぁ……」


 身体を休息へと戻すような大あくび。

 確かに、目の皮は弛んでいそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ