召喚勇者ミスギの伝説
俺は暴虐な魔王を倒すため、異世界へとやってきた。
仲間として紹介されたのは、アメジストさながらの紫瞳を持つ女騎士だ。
歳の頃は俺と同じ、十七、八だろうか。雪のような白髪を、ゆるやかに首のうしろでまとめている。
顔は整っている方だろう。
どこか冷たい印象を与えてくるのは、目が切れ長であるせいで、長いまつげや、通った鼻すじ、濡れたような桃色の唇は、十分に美女の条件を満たしている。
肌もまた透きとおるように白く、鎧に包まれていてもわかるスタイルの良さは、さすが異世界人と言えるかもしれない。出るところは出て、引っこむところは引っこむ。
俺が元いた世界でも、街を歩けば、十人中九人は振り返るに違いない。
名は、アイシングだ。
……やれやれ。
女には興味ないのだがな。
王「めっちゃ見てますやん」