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刻む絆と物語  作者: @.
1章 目覚める力
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ピーマの村にて

 目を覚ますと、そこには、見慣れない天井。上体を起こして辺りを見回すが、壁も、ベッドも、窓際に飾られた花も、全てが見慣れないものであった。



「目が覚めたかい?」



 声のする方向を向くと、一人の男性がドアの側の壁に寄りかかっていた。赤い帽子に深い緑色のリュックサック、ボロボロの革の長靴と、一見旅人の様な容姿だ。



「あんたが、俺を……?」



「ま、そんなところかな。俺の名はエースだ。お前は?」



「レオン・バーナード。……助けてくれて、ありがとな」



 レオンは再び周りを見渡しながら、エースに訪ねる。



「―ところで、ここ、どこだ?」



「ここは、『ピーマ』の村だ。」



「ピーマ……?聞いたことねぇな」



 首を傾げながら考え込むレオンに、今度はエースが質問をする。



「ところでお前、どうしてあんな場所で倒れてたんだ?しかも周りには、山賊達の死体まであったし……。」



「あぁ、それは――」



 レオンは、今までの出来事を、エースに話しはじめた……。



――――――――――――――――――――



「――という訳なんだ」



 話を聞き終えたエースは、腕を組みながら、なるほどな、とうなずく。



「山賊にさらわれ、謎の女の子に助けられ、謎の男に絡まれて……。お前、散々な目にあったのな」



「まぁな」



 レオンは頭をかきながらベッドから降り、背伸びをする。その後、部屋の出口へと歩いて行った。



「んじゃ、俺はそろそろ……。」



「オイオイ、待てよ」



 エースに呼び止められ、レオンはドアノブをつかもうとした手を止める。



「お前の故郷、どこにあるのか分からないんだろ?それに、食糧やら金やらの用意はできてるのか?」



「…………あ」



 そう、レオンは、山賊に無理矢理連れられてここまで来たのだ。旅の準備など、出来ていなくて当然である。



「……旅の準備って、どうすりゃいいんだ?」



 エースは、半ば呆れた様子で、深いため息をついた。

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