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突然の来訪
「な、何なのよ、あんた達!!」
「――姉ちゃん!?」
突然響き渡る、姉の声。レオンが服を脱ごうとした瞬間の出来事であった。
「姉ちゃん、どうした……――!!」
レオンは慌てて浴室を飛び出し、声のした玄関へと向かった。そこには、怯えた様子の姉と、姉にナイフを突きつけている山賊の男。一瞬で状況を判断したレオンは、姉と男の間に割って入り、男の方を突き飛ばした。
「お前、姉ちゃんに何しやがる!」
「お前がレオンだな?」
男は、レオンの問いに答えることなく、逆にレオンに問いかける。
「……ああ、そうだよ!それがどうした!?」
「首領がお呼びだ。黙って俺についてきな」
「首領?」
レオンは、怒りを押し隠すことなく、反論する。
「ふざけんなよ!誰がそんな……。」
「おっと、お前に選択権はないぜ?」
「!?」
後ろからの声に振り向くと、そこには、姉の首筋にナイフを突きつけている、もう一人の男が。
「れ、レオン……。」
「姉ちゃん……!」
レオンは、怯える姉の姿を見た後、声を絞り出すようにして答えた。
「……わかった。」