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ベック・マグリゴール:ベックという少女~いやなよかん

時期としては、丁度私と葛ノ葉が新菜達と合流した頃だろうか、とある村で一人の少女が生まれた。


名前は「ベック」と付けられ、燃えるような赤髪と村の誰にも負けない明るさを持ちすくすくと成長していた。

ここからは、そんな彼女が私達と合流するまでの話をしていこう。


彼女が丁度10歳になった頃、彼女の住む村ではとある噂が囁かれていた。


『村の近くの森へと入った者は生きて帰ってくることが出来ない……。』

『森の深部まで行くと、悪魔に魂を盗られ死んでしまう……。』


噂の起源は子供達を森へと行かせないための物であった。

しかし、ここ最近では、本当に森に入った若者が帰って来なくなっていた…。


村の大人達は、子供達へ森へ行かぬよう厳しく言いつけ、周辺に見回りも付けた。

しかしここは退屈な辺境の村であり、面白そうなことがあれば直ぐに食い付くのがこの村の子供たちである。


「森の中に行ってみましょう。 まだ僕達が知らない面白いものがあるに決まってる。」


「そうそう、俺達に知られたくないから『行くな』なんて事を言うんだ。」


「でも、本当に戻ってこれなかったらどうするんだよ……。」


「そんな事言うんなら、お前だけ残ってろよ。 俺達だけで行ってくるからさ。」


何時もと変わらない調子で話している仲良し3人組の話を、ベックはぼんやりと聞き流していた。


(私だって、行けるものなら見に行ってみたいけど……。 家の手伝いもあるしなぁ…。)


「なぁ、ベック! お前はどうするんだよっ。」


「え、わ、私!?  私は手伝いもあるから遠慮しておこうかな。」


「珍しいね、ベックちゃんがこう言う事に付いて来ないなんて。」


「何だか嫌な予感もするしね。 3人で行って、なにか面白い事があったら教えてよ。」


「任せとけって! よっしゃ、じゃあ今晩作戦決行な!」


「え、ぼ、ボクも行くことになってるの…?」



彼女の言う『嫌な予感』はその時はでまかせであったが、翌朝そのでまかせが事実になるということは今はまだ知らないのであった…。

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