アルヴァンス・ノーレッジ:出会い~その不思議を探しに行こう……。
「人攫い……? やっぱり、貴方人を化かしてたんじゃないの?」
「キミ、人じゃないじゃないか。」
青年を一先ず無視し葛ノ葉に文句をぶつけておくと、青年の影からか細い女性の声が聞こえてくるのであった。
「人じゃない……? 葛葉、誰を連れてきたの…?」
「あー、そんなに怖がらなくてもいいよ、新菜。」
よく目を凝らせば、私と同年代であろうかという少女が影に潜んでいた。
新菜と言われた少女は、私に疑問を投げかけてくる
「貴方は、何故この世界に……?」
「さぁ、私が一番聞きたいわよ。 聞いたこともない3人を探して来いって言われて、この世界にポイっよ。」
「3人? ボクそんな話聞いたこと無いよ?」
「化け狐に言う訳無いでしょ? 『岩手勇那』と、『藍原風』と……『レギオス・シャル』ね。 貴方達は聞いたこと無い?」
私がその名を言うと、青年と新菜は焦った様子で私に詰め寄ってきた。
「お、おいっ! その『岩手勇那』って名前、誰から聞いたよっ!」
「誰からって、私の友人だけど……。」
「何で私達が娘に付けようと思ってる名前を…?」
どうやら、この二人がこの世界の謎を解くためのキーパーソンになりそうだ……。
その二人の名は、「スウェン・ドーラ」と「岩手新菜」であった。
この二人と、怪しげな妖狐「葛ノ葉」と共に私達の旅が始まるのであった。