アルヴァンス・ノーレッジ:夢の中で。~覚醒の時。
私はその後、言われた通り数千年の時代を夢の中で過ごした。
夢の中に棲む悪魔「夢魔」となり、夢の中で過ごすために必要な知識は全て揃えた。
また、本が散らばっていた部屋は私の住処となり、乱雑に積まれていた本を年代別に纏め、全て本棚へと収納していく事で、最初の状態からは想像もできない程美しい部屋へと生まれ変わっていた。
また、交友関係も広げることに成功した。
最初に見かけた銀髪の少女は「ダニエラ」と名乗り、私の身の回りの事に関して全て世話をしてくれた。 しかし、主従関係と言う訳でもなく会話をする時は普通に砕けた話し方をするような、まるで姉妹のような関係になっていった。
そして、同じく最初に見かけていた虎は「シトリー」と名乗った。 自身を「夢魔の王」とも言い、夢の世界に慣れていなかった私をサポートしてくれた。
他にも、サラマンダーの女やバジリスクの女などと知り合うことになるが、それはまた別の時に書く事としよう。
そして、2000年近くは経っただろうか? そんな時、シトリーが私の部屋を訪れ、急にこんな話を始めたのであった。
「君の力が要る時が来たよ、アルヴァンス嬢。 外の世界をどうにかしてくれないか……?」
「外の世界を? 一体何が起こったっていうのよ。」
「大幅な地殻変動。 恐らくは何者かの手によって世界が切り貼りされている。」
「そんな大事、私だけで捌ききれるかしら? 幾ら私でも、そんなに凄くはないわよ?」
「ある少女達を頼れ。 『岩手勇那』と『レギオス・シャル』、『藍原風』。 彼女達に接触できれば、君の力でもどうにか出来るよ。」
聞き慣れない名前が出て来る。 それに、規模も大きい。 私は乗り気ではなかったがシトリーの熱気に押され、渋々「夢から醒める」のであった。
さぁ、大まかではあるが私の話は此処で終わり。
次からは、世界を変えるために全力を注いだ少女達の話をしよう……。