表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

アルヴァンス・ノーレッジ:夢の中にて不思議との出会い

目の前は本の山、見渡す限り本だらけの大きな部屋である。


しかし、その本の山の中に幾つかおかしなものがある……。 何も入っていない本棚と、銀髪の女の子が一人、そして二本足で立つ巨大な虎。


「君がこちら側に来るのを待っていたよ。」


虎が、低く落ち着いた声で私に話しかけてくる。 この状況も、夢の中でなければ納得が行かなかっただろう。 私は意外とすんなりと受け入れることが出来た。


「待っていた……? 私を?何故……?   それに、呼んでいたのは貴方なの?」


聞きたいことは山ほどあったが、先に口をついて出たのはこの言葉だった。


「君の能力には利用価値がある。  そして、その価値を見出だせるのはかなり後。  そうだな……。およそ1000年後。かな?」


利用価値、今までの私には縁のない言葉であった。


「1000年後……? スケールが大きすぎてよくわからないわよ、それに、私には利用価値なんて何もないわ。」


「アル様には…… 強力な魔術があります……。  それに、驚異的な記憶力。」


私の質問に返答したのは、銀髪の少女であった。


「そうだっ! アルヴァンス嬢には優れた魔法の技術がある。  そして、天才的な記憶力も。   だから私は呼んだのだ、君を、利用したいと思ったから。 今でなければ間に合わないと判断したからっ!」


「急に迫ってこないで頂戴……。」


クルクルと芝居がかった動きで距離を狭めてくる虎、退く私。  しかし、私自身、嫌な感じはしていなかった。  この世に私を必要としてくれる人が居る、それだけで十分であった……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ