アルヴァンス・ノーレッジ:生まれてから~夢の世界へ……
手始めに、私の事についてもうちょっと詳しく書いていきたいと思う。
私は、小さな町のある家に生まれた少女だった。
物覚えが非常に良く、妹のフェリス・ノーレッジと並んで「天才」と呼ばれることが多かった……。
しかし、私は一度道を行き違えてしまった。
確か18歳の時…。 私はとある書物に書かれていた内容に興味を持ち、当時違法と呼ばれていた「魔術」に手を出してしまったのである。
その後も、私は持ち前の記憶力の良さを活かし、次々に難解な魔術を身に付けていき一部の人間からは「大魔法使い」とも呼ばれるほどになれたのであった。
しかし、魔法使いとして生きている間はあまり良い評価を受けていなかった。 見知らぬ技を使う私を住民はまるで腫れ物であるかのように扱ったのである。
事態が動いたのは、恐らく23歳の時だ。 その晩、私はいつも通りベットに潜り、心地良い睡眠を取っていた。
その時、遠くから私を呼ぶ声がするのであった。
私はその声に引かれるように一寸先も見えない暗闇の中を駆けて行った。
何かに導かれるように永い距離を走った私の目の前に、突然一つの扉が現れた。 無我夢中で開けたその先には私が予期しなかった光景が広がっていたのである……。