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空の下で夢を見るー私が生きた多くの世界ー

空の下で絆を見る─とある創造者─

作者: 心井菜城愛

 接点無き人々が出逢う事は世界を変える第一歩に成ろうかとは誰も知りはし無かった。

 只、其れは変わった出逢いであった。二つの世界が交わる事で欠片は普段の輝きから違う異様な色の輝きを魅せる。

 とある創造者(つくったもの)は言った。


『交わらんとする世が交わる事で、新しく影響を受け合い何かが変わることがあるだろうに。』


 神だけが世界を操る物語(もの)であったが、世界は何時しか変わり、神のみが操る物語(もの)ではなく、いづれ村人(もの)と神とはたまた、下界(そと)人間(もの)が紡いで、協和すべき日々に成ろうとする第一歩であろう。


        時神(ときじ)歴野邑不無忌(ゆきのむらふぶき)

 10月31日。ご存知今日はハロウィン。だが、空下村にはそんな行事は無い。

 今日は大切なお客さんが来ると言われ迎えに行った。正直詳細は聞かされていない。黒に近い茶色でメガネの奥に猫のような目で大人しそうな印象の愛歌は1人呆然と村の入口にいる。

 バス停には人もいなく、時々下界からの郵便を取りに来るぐらいである。


「あ、愛歌…。…………今日か」


 茶色い髪の犬のようにくりっとした目の飛夜理がカラカラと自転車を押してやって来た。


「うん。飛夜理、何してんの」


「いや、なんか荷物来てるつって、妹が。」


 へぇと愛歌は冷たく返す。

 確かに飛夜理の自転車の荷台には大きめの箱が二つあった。


「あ、はい。愛歌にって」


「…………?ありがと……?」


 中身のわからない箱をひたすら振っているとバスがやって来た。

 そこから同じ年頃の子が何人か降りてきた。


「ここが空下村か…………うん、面白そう!」


「こらこら薬音あんまりはしゃがない……」


 愛歌はその数人を見て、まぁ、と口をあけた。見覚えがない上に余り村に来る人間のテンションではなかった。

 多分、迎えに行けと言われたのはこの人達をであろう。


「お?………貴女、愛歌ちゃん?」


 前髪のM字方に茶色髪のポニーテールと目がくりっと丸い印象の強い少女が愛歌に声をかけた。


「はい…………」


「私、薬音!どうぞ宜しくね。」


 薬音に握られた手を見て宜しくお願いします…と呟いた。「それで、そちらは?」と薬音が問いかける。愛歌にほら、と言われ「えーと、飛夜理って言います。宜しくです」と渋々自己紹介をした。

 そして、薬音と一緒に来たのは薬音と反対の雰囲気で同じようなM字型の前髪、目が細い兄・圭音と髪が黄色くフードを被っているが可愛らしい印象の幼馴染みのキール、ふぶきの様な白い髪の小柄な、年の割に童顔な彼女ら同級生の真白が一緒だった。


「とりあえず、送った衣装に着替えましょうか」と真白が言った。


「え、着替える………!?」


「あれはハロウィンの衣装ですから」


 ハロウィン?と愛歌は首をかしげた。それに飛夜理は「秋祭りみたいなの」と付け足した。秋祭りとはまた違うだろうが、愛歌は納得した。


「それでは!着替えよー」


 愛歌の家に着くと箱から入っていた衣装を取り出し着替える。

 愛歌は紫色地に偉くオトナっぽい雰囲気の魔女の姿だった。頭には大きな帽子、首には猫を連想させそうな鈴をチョーカーのようにして付けている。

 飛夜理はまさに見た感じ狼だった。狼の大きく空いた口の中から飛夜理の顔が見える。まぁけったいなと本人も苦笑いしか出来ない。グレーの毛の上からブラウン色のベストを羽織った偉く可愛らしい狼だった。


「魔女と狼さん!うん、似合う似合う!」


 薬音がはしゃぐとキールが「昔からいつもこんなんで…すいません」と苦笑い付け足すように言う。それに圭音が小声で「我が妹は変態なキャラもあったり…」とまたまた付け足す。


「へん………何?」


「づあ"ー!お前は余計な事に突っ込まんでええ!」


 愛歌が何か聞こうとすると飛夜理が間に入って止める。「圭音さん…………」と隣でキールが横から口出しをした。


「で、これからどうする気で?」


 飛夜理が聞くと「村から出ます」と圭音が言った。


「「今から!?」」


 2人が声を合わせて叫んだ。

 かれこれ30分掛けて本当にやって来た下界。でも普段みる下界とは雰囲気が違う。

 街の垂れ幕には『happyHalloween』と書かれていた。見慣れた街には変装した人が集まっていた。


「薬音…………エルフ……」


 愛歌が珍しい格好に目を輝かす。

 薬音の耳は後ろに伸び先程と変わらない髪形が水色に変わっただけだった。

 圭音は薬音と同じように耳は後ろに伸び、赤い髪をしていた。キールは黄色い髪は変わらず、格好はまるで吸血鬼を連想させるようだった(薬音によると、本当はグレムリンだそうだ)。そして、真白は真っ白な包帯を手や足に巻いている(話によれば透明人間だそうな)。

「薬音は元がエルフで」と言いかけたキールの口を圭音と真白がそっと抑えた。


「………そうなんですか。人外なんて珍しくないですからご安心を。」


 へ?と圭音と真白が声を重ねた。「こっちも気にしないで下さい」と飛夜理が添えるように言った。


「はぁ、もー愛歌ちゃん似合うしー!!連れて帰りたいしー!!」


「え!?そうは…………させないです!」


 薬音のセリフに驚きを隠せない様子の飛夜理であった。


「しっかしキールも可愛いなぁ!」


「う………うっさいなぁ!」


「キールくん照れてるの丸わかりだよ」


「うぅ…………っ」


 薬音に反論しているキールに付け足す真白。どうやらこの三人は仲がいいらしいと愛歌は呟いた。


「にしても、飛夜理くーん。君が鈍感なのか愛歌ちゃんが鈍感なのかは知らないけど、素直になりゃいいのに〜」


 と、何を思ったのか圭音がそう言っていた。それに真白は「そうなんですか?」と圭音に尋ねる。そして、飛夜理は「お、お、俺には何にもアイツの心ん中なんてわかりませんから………」とうつむいた。


 結局その晩は、キャラにもなくはしゃいだ。結果、薬音やキール達とも仲良くなった。

 今日は泊まって行くという薬音達を借りているという宿舎まで送り届け、帰り際に愛歌が


「明日から3日間、空下村も祭りなのよ。よかったら、見においで。」


 と言った。圭音が「行けたら行きたいよ」とニコニコ笑って答えた。

 それに、愛歌は嬉しいそうに目を光らせた。


────────────

 ある日理由なんか知らないのにひょんなことで出会った少年少女。

 それは少しずつ我が村の死姫(あいか)を変えるきっかけになり、薬音というたった1人の存在がある意味『薬』になったのだろう。

 もし、今が無かったら何も変わらないだろうし、でも出会ったことで変わることもあった。

 村で時神は呟く。


『貴方方の絆は一人の創造者から出来たのです。だから、このめぐり合わせを大切にしてくださいね』


 その声は村の誰にも届くことはないが、その創造者たちの耳には届いたであろう声だった。

 こちらはハロウィンパーティー企画でハロウィンの時期が来たので書きました………。僕、基本短編は苦手なので雑でもお許し下さい。

 あ、今回出てきた最初の「歴野邑不無忌」というのはですね、「雪村ふぶき」です。このお話はまた今度本編で( ˘ω˘ )

 キールくん、真白くんはお友達の友情出演でございます。薬音・圭音は僕のとこの子です。

 ただ、本当に僕もこの企画に参加していなかったらこんな作品書くこともなく1人細々と書いていたのかなと考えると勇気を出して参加できたことに嬉しくなりました。

 今回の作品はそんな感謝(伝わってるといいな)を込めて書きました…。また年明け前にでも僕の知ってる人らをお借りして何か書きたいと思っております。

 長文、お付き合いありがとうございました。


   皆様、happyHalloween  心井菜城愛

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