小さな喜び、大きな悲しみ
この頃鼻血が出なくなった。 きっと俺も1段階大人になったということなのだろう
小さな喜びはそんなもの
それよりも悲しいことがある。
小春ちゃんと夏が、ここ数日でかなり仲良くなった。
「ドンマイ、暁」
ポテトを食べながら、何処か他人事のように拓真は笑う。
「まー、小春ちゃんが夏の事好きなのは知ってたけどさぁ……なんとかしてよタクえもん」
自分で買ったハンバーガーとコーラには手を付けず、俺はペタリとテーブルに体を倒した。
「それくらい自分でどうにかしなよサトルくん」
「タクえもんが冷たい?!」
「だって俺も恋愛経験が乏しいもん。無理だよ」
確かに……。拓真は男友達は多いけど女には縁がないタイプだった。
俺もだけど。
「でもさ……夏はどう思ってるんだろうね。小春ちゃんの事、好きなのかな?」
拓真が首を傾ける。そんな拓真を見ながら、俺は眉間にシワを寄せ考えた。
夏の小春ちゃんといるときの仕草、表情、話し方を懸命に思い出して
そして首を横にふる
「あー! わっかんねぇ!! 楽しそうだなとは思うけど、基本あいつって態度顔に出さねぇし」
「だよね」
そう言って苦笑いする拓真と、きっと俺は同じ顔をしている。
夏は良いやつだけど、まだそこまで仲良くなってないのも俺としては悲しい。
「なんとかしてくれタクえもん……」
「鼻血出てるよサトルくん」
「えっ」




