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そして

俺は昼休み、ケガをした。ケガ……というか、そう、鼻血が出た。



どうも俺は小さい頃から鼻血が出やすい体質で困る。大人になれば落ち着くって言われたけど、出来れば今すぐ落ち着いてほしい。



だってこれじゃあ彼女も出来ないよ。



近くにいた友達の拓真(たくま)と一緒に、俺は保健室に行くことになった。



「大丈夫か(さとる)



近くにいた運動部の奴から借りたタオルで鼻を抑えながら、俺は黙って頷いた。

くそっ、まだ収まらない。



心の中で舌打ちしつつ、保健室の戸を景気良く開けた。



「先生、暁が鼻血出しちゃって……」



俺の代わりに拓真が状況をしてくれる。




先生は……



「あっははははは!!」



笑っていた。腹を抱えて笑っている。俺が鼻血を出したから笑っているのではないみたいだ。



何故なら保健室の先生は俺の方を見ていなかったからだ。



俺と拓真は互いに目を合わせ、首を傾げる。



気になっから先生の方へ歩み寄り、先生の見ている方向へと目をやった。




横で拓真は豪快に笑っている。俺もつられて笑ってしまった。


笑ってしまったせいで、鼻血は悪化した。しかし笑わずにはいられない。



これ以上笑っていると大量出血で死んでしまいそうだったから、俺は慌てて目をそらした。



「……な、なんで」



拓真は思わずソファーに座る彼に話し掛けてしまった。相手が相手なだけに、俺は拓真を止めないといけなかったのに、自分の事で精一杯だったせいでそれが出来ない。




拓真は話しを続ける


「斎藤……なんで鼻メガネなんか……」




どんな格好をしていようと、相手はあの斎藤 夏だ。無愛想な顔が歪み殴られる所を想像し、俺は思わず目を瞑った。



幸いここは保健室だ。多少のケガなら……



「い、いや。これはこいつが……」



斎藤 夏は殴りかかってなんて来なかった。

目を開けてもう一度ソファーの方へ目をやると、斎藤 夏は照れくさそうに顔を赤く染めてこちらを見ていた。


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