部活
運命的な出会いは、私の元へは訪れない。
その事を数日で悟った私に残されたものは、辛いけど楽しい部活動だけ
「友江は飲み込みが早いね。中学もバスケ部だったけ」
朝練も一通り終わり、私がボールを片付けている最中に2年生の先輩がそう話し掛けてくれた。
「はい、3年間バスケ部でした!」
「なる程な〜。寧々は?」
私の横でひとつひとつ丁寧にボールを片付けていた鈴木さんは、手を止めて先輩の方へ視線を向けた。
「私はバスケ初心者です」
「へぇ……なんでバスケしようと思ったの?」
「中学生の時、ここの見学会へ来たときに、先輩達の部活の様子を見て、格好いいなって思ったんです」
鈴木さんは最後のボールを整理カゴに入れながら、クスリと笑う。私にはその表情が、少し不気味に見えた。
「ねぇ、相坂さん」
「え、なにー?」
私は後ろを振り向かずに少し大きな声で返事した。
体育倉庫に整理カゴを戻さないとならないからという理由もあるけれど、それ以上に部活後にされる鈴木さんの話しが私は苦手だ。
「この頃、斎藤先輩と相坂さんのお友達、昼休みになると保健室でなにかお話ししてるって噂ね」
やっぱり、小春の事だと思った。
「そうみたいだね」
素っ気なく返事をし、私は鈴木さんを見ないように後ろを向いた。
それでも、鈴木さんは話しを止めない。
「このままじゃあ、いつか相坂さんまで噂の的になってしまうわよ。縁を切った方が良いんじゃない?」
「小春は親友だから、それは考えられない」
「……そう」
顔を上げて鈴木さんを見た。彼女の笑みは、やはり少し不気味だ
部活中は好きだけど、部活後は嫌い。鈴木さんの事、私はどうしても好きになれない




