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戸を開けた
「小春って意外と頭良かったんだね」
友江のその言い方は、後ろに「もっと頭の悪い子だと思っていた」と付いてきそうな、そんな言い方だった。
「ちょっと考えれば分かることだもん。皆が噂に流されやすいんだよ〜」
イヤミはイヤミで返すことにする。
1時間目の授業が終わってすぐ、友江は私の席へとやって来た。
「小春は斉藤先輩に言われた通りに昼にまた先輩の所に行くの?」
前の席を借りて座っている友江は、首を少し傾けて真剣な表情で私に聞いた。
「当然行くよ。友江は行かないの?」
「うーん、真実は気になるけど先輩はやっぱりまだ怖いから私はパス。後で結果だけ教えてよ」
右手をヒラヒラと泳がせて苦笑いをした。
「そっか」
怖い、か
斉藤先輩、普段から不機嫌そうな顔しているからなぁ
うつむくと、思わず深くため息が出た。
昼休みまでの時間はとてももどかしく、とても長い時間に思えた。
授業内容なんて頭に入ってこなくて、早く昼休みになってほしいと思いながらシャーペンを握っていた。
だから昼休みを伝える鐘が鳴った時に、私は誰よりも早くその鐘の音に反応したことは言うまでもない。
お弁当を持ち、駆け足で教室を出た。
早く、早く。
先輩の元へ行かなくてはならない。
行って、先輩の話しを聞かないとならない。
私は教室の戸を静かに開けた。




